ブックキュレーターhonto編集員
ときに燃えるように、ときに淡々と。感情を揺さぶられる復讐劇が描かれた本
小説のテーマの定番ともいえる「復讐」ですが、不思議なもので同じテーマを扱っていても設定によってそれを美しいと思ったり、残酷だと思ったり、許せないと思ったり、私たちは異なる感情にさせられます。ときに感情に任せたまま、ときに綿密な計画のもと、手法も理由もそれぞれ違った復讐劇を描いた小説を紹介します。
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ミスティック・リバー
デニス・ルヘイン(著) , 加賀山 卓朗(訳)
狭い人間関係のなかで起こる、悲劇と復讐が描かれた小説です。愛娘がある日、変わりはてた無残な姿で発見され、絶望し怒りに震えるジミー。彼はある人物の言葉からかつて友人で、とある事件から疎遠になっていたデイヴに疑いの目を向けるのだが・・・。複雑な感情が入り乱れたさまが描かれた、非常に読み応えのあるミステリーの傑作です。
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突如拉致され囚われの身になった女性アレックスは、ワケがわからないままにすさまじい虐待を受けます。いったい誰が、何の目的で、どうして彼女はこんな目に遭っているのか?復讐が復讐を呼び、最後に復讐を完全にとげたのははたして誰なのか・・・、あっと驚かされる結末が待っています。
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復讐の華ヴェラ
桐生 操(著)
中世のヨーロッパを舞台に、罠にはめられ非業の死をとげた父の無念を晴らすべく、主人公ヴェラたちの復習にかけた人生を描いた長編小説です。どこまで、そして誰にまで復讐をすれば、ヴェラたちの気持ちは晴れるのか・・・。やり場のない悲しみに包まれる一冊です。
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さまよう刃
東野 圭吾(著)
愛する娘を殺された父が、明確な殺意をもって犯人たちに復讐をする物語です。読者はみな被害者の父(復讐者)に感情移入してしまうストーリー展開になっていて、もし自分の愛する人が同じような目にあったら・・・と背筋が寒くなってきます。「法律となんなのか?」と、読後には考えさせられる社会派ミステリーです。
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眠れぬ夜を抱いて
野沢 尚(著)
悠子は夫と娘と暮らしに幸せを感じ、充実感を抱いている平凡な主婦です。しかし夫が手掛けた新興住宅地に引っ越したことをきっかけに、その幸せは崩れていきます。あらゆることを犠牲にしてはたされた復讐と、それが終わった後に残された者が思うこととは・・・。こんなラストになるなんて!と、冒頭からは考えられないような展開のサスペンス小説です。
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