ブックキュレーターhonto編集員
とことんまで沈みこめば何かが見つかる。重苦しくも心震える発見がある小説
鬱屈としていて重い小説には、一味違う重厚なテーマが込められています。読者の気分も巻き込んで、陰鬱な世界観を味わわせてくれつつも、読み終えてみれば、それまで知りえなかった発見がある。それを見つけに、あえて泥沼に飛び込んでみてはいかがでしょうか。一際複雑で重苦しいけれど、何かが見つかる小説を紹介します。
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歴史調査のためフランス滞在中のロカンタンの思索が綴られた小説です。物事に無関心な主人公は、あるとき唐突に吐き気を催します。人間観察をしながら思考し続けるうち、彼は事物の存在自体に違和感を覚えたという。その意味は何なのか。感覚を見事に言葉で表現した本書は、日常のおかしさに気づかせてくれます。
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