ブックキュレーターhonto編集員
とことんまで沈みこめば何かが見つかる。重苦しくも心震える発見がある小説
鬱屈としていて重い小説には、一味違う重厚なテーマが込められています。読者の気分も巻き込んで、陰鬱な世界観を味わわせてくれつつも、読み終えてみれば、それまで知りえなかった発見がある。それを見つけに、あえて泥沼に飛び込んでみてはいかがでしょうか。一際複雑で重苦しいけれど、何かが見つかる小説を紹介します。
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何もかも憂鬱な夜に
中村 文則(著)
死刑確定間近の囚人・山井を担当する刑務官が主人公。山井含め数々の犯罪者の話と併せ、主人公の胸中に去来する決して明るくはない自身の生い立ちが語られます。いまだ何かを隠す山井、また生きる希望をくれた恩師や自殺した友人など、いずれも生死に深く根ざしたエピソードが、生に悩む人を救う言葉を与えてくれます。
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嘔吐 新訳
ジャン‐ポール・サルトル(著) , 鈴木 道彦(訳)
歴史調査のためフランス滞在中のロカンタンの思索が綴られた小説です。物事に無関心な主人公は、あるとき唐突に吐き気を催します。人間観察をしながら思考し続けるうち、彼は事物の存在自体に違和感を覚えたという。その意味は何なのか。感覚を見事に言葉で表現した本書は、日常のおかしさに気づかせてくれます。
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