宗教にハマるとこうなる？恐ろしいほどの変化に戦慄する小説

内気な主人公が女子クラスメイトの豹変を知り、やがて新興宗教オモイデ教に巻き込まれていく話です。精神を病んだ彼女の変化は凄まじく、メグマという謎の呪術まで使ってしまう。ただの超能力学園ものではなく、展開はシビアです。現代的な青春から離れすぎない物語が、だからこそ恐ろしい宗教の力を存分に見せてくれます。

娘を事故で亡くしてから新興宗教にのめり込んだ妻を、アル中になってしまった夫が助けに向かう話です。アフリカの呪術などが登場しますが丹念で綿密な描写はリアルで、それは妻の変貌にも反映されています。夫の想いが妻の異様をより引き立たせ、宗教にハマる恐怖を一層感じさせてくれます。

宗教法人の教祖である神郷宝仙が主人公。その成り立ちを通して人の醜さ、脆さが克明に描かれています。宗教団体「神の郷」の実態とそこに引き込まれていく人々の様子は丁寧すぎるほど丁寧で、実に気味悪く恐ろしい。冒頭のとある一家における母の狂騒は圧巻です。ただちに戦慄したい方にオススメです。

連続する幼女誘拐事件の捜査一課長と、その事件に関わる新興宗教に入れ込む男を2つの軸とし、それぞれが一つの結末に向かって進んでいきます。どんな理性の叫びもむげにする、追い詰められた人間の弱い心が事件に絡む様子は、非常に恐ろしく悲しげです。ミステリー的な要素に加え、圧巻の心理描写が印象深い一冊です。

主人公が怪しい宗教団体に迷いこみ、彼らの破滅的な計画に巻き込まれていく話です。教団に関わった主人公が目にするのは、それぞれの苦悩を抱えた入信者や倒錯した性に縋る人々。緻密で膨大な背景描写がみるみる読者を物語、そして登場人物の苦悩へと引きずりこんでいく、まるで巧妙な洗脳書のような小説です。