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熱狂が狂気へと変わる!?愛の可能性とその偉大さを描いた南米文学
一般的に、告白や結婚が一つの愛の成就としてみなされていますが、南米文学はそうしたイメージとはまったく異なる愛の結実を見せるものが多くあります。それらはミステリーやホラーのようなゾクっとする倒錯性を感じさせますが、同時に愛の可能性とその偉大さも見せてくれます。盲目的に愛に捧げる行為は美しい、と思えるようになる小説を紹介します。
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愛しのグレンダ
フリオ・コルタサル(著) , 野谷 文昭(訳)
表題作では銀幕を退いた名女優グレンダを愛する男たちが、彼女の映画をより完璧なものするために奔走する様子を描いています。彼女の過去のフィルムをつなぎあわせて理想の映画を追い求めていた彼らは、彼女の映画復帰を知り、彼女を完璧かつ不可侵なものにするためある行動を起こします。幻想や狂気が入り混じった「愛」の物語が描かれた短編集です。
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モレルの発明 第2版
アドルフォ・ビオイ=カサーレス(著) , 清水 徹(訳) , 牛島 信明(訳)
国を追われ無人島へ逃れた「私」は、その島で見かけた謎の女フォスティーヌに恋をします。やがて島のある秘密が明らかになり、「私」は彼女とは永遠に相容れない存在だと悟ります。異なる世界で生きている女性へ「私」がとった愛の形とは・・・。南米文学の奇才ボルヘスに「完璧な小説」と言わしめた、風変りな小説です。
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蜘蛛女のキス 改訂新版
マヌエル・プイグ(著) , 野谷 文昭(訳)
少年へのわいせつ罪によって投獄された同性愛者のモリーナは、刑務所で同室になった政治犯のバレンティンにかつて観た映画のことを語り始めます。それは決して報われることのない悲哀の物語でした。その語りに込められたモリーナの想いとは・・・。特殊な状況での切ない愛の物語が描かれた小説です。
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隣りの庭
ホセ・ドノソ(著) , 野谷 文昭(訳) , 野谷 良子(訳)
物語はほぼ全編にわたってフリオから語られるグロリアへの愛、それに友人たちとの交流によって進行していきます。そして最終章では、グロリアの視点でその思いが語られます。フリオが見ていたものとは違うグロリアの世界。愛の相互作用について描かれた小説です。
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