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ムーミンとはひと味違う!?大人だからこそ楽しめるトーベ・ヤンソンの本
「ムーミンシリーズ」の作者として知られるトーベ・ヤンソンは、実は大人向けの小説も数多く執筆していて、画家としても評価されていました。また風刺画家としてキャリアをスタートさせたことから皮肉が効いている描写もあるのですが、不思議と温かかさを感じます。「ムーミンシリーズ」とはひと味違った魅力を堪能できる、トーベ・ヤンソンの本を紹介します。
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トーベ・ヤンソン短篇集
トーベ・ヤンソン(著) , 冨原 眞弓(編訳)
「子ども時代」「創作」「奇妙な体験」「旅」「死と老いの予感」をテーマに、20の物語を収録した短編集です。どの短編もわかりやすくはないのですが、不思議と心に残るので何度も読み返したくなってきます。「植物園」という短編に登場する偏屈な老人には、「ムーミンシリーズ」のキャラクターの原型を感じることができるでしょう。
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トーベ・ヤンソン短篇集 黒と白
トーベ・ヤンソン(著) , 冨原 眞弓(編訳)
トーベ・ヤンソンの短編のなかからダークなものがセレクトされた短編集です。表題作「黒と白」の主人公の画家は、日本でもその不気味さが人気の絵本作家エドワード・ゴーリーをモデルとし、彼に捧げられた短編です。エドワードがセレクトした怪談をまとめた本『憑かれた鏡』を読んでおくと、より深く「黒と白」が楽しめるようになるでしょう。
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誠実な詐欺師
トーベ・ヤンソン(著) , 冨原 眞弓(訳)
弟の面倒を見ながら暮らしているカトリは冷徹な女性で、嘘をつけない誠実さのために人間関係もうまくいっていません。お金に困った彼女は裕福な老画家のアンナに近づき、彼女を利用しようとします。全体に漂うシニカルな雰囲気と明晰な文体から、トーベ・ヤンソンの優れた知性が伝わってくる傑作です。
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島暮らしの記録
トーベ・ヤンソン(文) , 富原 真弓(訳)
トーベ・ヤンソンは自然の厳しさを愛する芸術家でした。この本は記録とフィクションを混ぜながら、彼女の無人島での暮らしを描いたものです。「ムーミンシリーズ」に登場するトゥーティッキのモデルになったパートナーと母親の3人で、小屋を建て漁をして生活をするトーベの素顔を垣間見ることができる一冊です。
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スナーク狩り
ルイス・キャロル(作) , トーベ・ヤンソン(絵) , 穂村 弘(訳)
『不思議の国のアリス』の著者として知られるルイス・キャロルが手がけた物語に、トーベ・ヤンソンが挿絵を描いた本です。誰も見たことがない怪物スナークを追う、物語とも詩ともつかない作品です。文と絵が一体となってナンセンスなユーモアを突きつけてくる、そんな一冊です。ぜひ肩の力を抜いて読んでみてください。
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