まるでアドバイスを受けているかのよう！前向きな気分になれる石田衣良の本

池袋で起きたトラブルの解決を請け負う何でも屋・マコトを主人公にした、勧善懲悪の軽快なストーリー展開が魅力の「IWGPシリーズ」の第8弾です。本書では、非正規社員やシングルマザーという弱者として扱われる人々の奮闘がテーマになっています。マコトの愛のあるセリフが、不満があってもあきらめないことの大切さを思い出させてくれます。

大学生のリョウが、娼夫として女性と関わるなかで成長していく様子を描いた小説です。誰もが素の自分を受け入れて欲しいと願っていて、それはリョウも彼を買う女性たちも同じ。そして世代を超えた交流を繰り返すうちに、考えが深まっていくリョウも魅力的です。自分の欠点が目について生きづらいと感じていたら、ぜひ読んでみてください。

不治の病に侵された美丘が、最後まで自分らしくあろうと命を燃やす姿が印象的な恋愛小説です。記憶が途切れ途切れになるなかでも、希望を忘れずに生きる彼女の姿に勇気をもらえます。「人間とは未来のために行動している」という講義を、彼女が懸命に書き残す姿に胸を打たれます。受け入れがたい運命に突き当たったときに、読んで欲しい本です。

頑張っているのになんだかうまくいかない読者に向けて、恋をする上では自分自身を理解することが大切であると説いた実践的な恋愛論の本です。恋愛をしなきゃというイメージを取り払い、自分自身を高めていく。そんな恋と人生を一直線上にとらえる考え方は、とても役に立つことでしょう。人生につまずいたときのアドバイス集としても読むことができます。

幅広い年代の女性たちから寄せられた悩みに答えた、人生相談の本です。上から目線の回答ではなく、質問者の立場に立ったやさしいアドバイスなのが魅力的。人の目線に気を取られ、完璧を求める現代人のあり方にも警鐘を鳴らしています。『ちゃんと悩んでいる人は大丈夫』という言葉に、ハッとさせられます。読むと前向きな気分になれる本です。