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honto広報担当 土佐勝彦ブックキュレーターhonto広報担当 土佐勝彦

大人の知らないスクールカーストの一端がわかるようになる本

かつての学校生活は、ガリ勉やスポーツマン、いじめっ子にお調子者など色んなキャラクターの生徒が、それぞれに存在感を出しながら交流していました。しかし現代の学校生活では教室に流れる空気が大勢を支配し、スクールカーストにみなが縛られているのだそうです。子どもたちはそこでどう過ごしているのか、その実情の一端がわかる本を紹介します。

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  • 夜になると「化け物」になる少年と空気の読めないクラスメイトの少女が、夜の学校で過ごす「夜休み」を描いた小説です。昼はクラスで無視されている少女と、自分がその境遇になるのが怖くて周りと同じようにふるまってしまう少年。「夜休み」を通じて少年が少女に理解を深めていき、最後に一歩踏み出した姿に拍手を送りたくなります。

  • 中学・高校の教室は「1軍・2軍・3軍」などのグループにわかれ、上の階層はわが物顔に振る舞い、下の階層は空気を読む、そんなヒエラルキーがあるのです。下がることはあっても上がることはない「スクールカースト」の実情を、生徒と教師のインタビューを通して考察しています。読後、自分の子どもに「階層など気にするな」と気軽に言えなくなるでしょう。

  • 中学時代にいじられキャラだった羽柴典孝は、高校でいじりキャラに回るためにさまざまな画策をします。いじられキャラは一見人気者に見えるのですが、度を越したときには悲劇に転じるのです。「いじり」という言葉の軽さにまぎれた巧妙で陰湿な「いじめ」を描いた、リアルで恐ろしい青春小説です。

  • 学校で転落死してしまった女子高校生の父親の安藤は、その事実を受け入れられず、娘の日記やクラスメートの話をもとに転落死の原因を調査していました。そこで浮かび上がってきたのが、容姿端麗のカリスマ性をもった少女の存在です。真実を明らかにするため少女に罠を仕掛けた父親の執念は実るのか?反省や後悔とは何なのかを考えさせらる小説です。

  • ある女子高で文学サークルを主宰するカリスマ性をもった美少女が、謎の死をとげてしまいます。死後に開催されたサークル定例会でメンバーが自作小説を朗読していくなか、ある事実が浮かび上がってきます。学校という閉鎖的な空間でヒエラルキーの頂点に立つことに、そこまでのことをするのか!?と、恐ろしくなってくるはずです。

honto広報担当 土佐勝彦

ブックキュレーター

honto広報担当 土佐勝彦

hontoの広報として、ニュースリリースや取材・イベント対応に従事。家に本がある環境に育ち、小学生の時に読み始めた日本文学全集のおもしろさにはまり乱読を開始する。その後通学・通勤時間を利用して歴史小説やミステリーに凝る傍ら、コミック誌にもくまなく手を伸ばす生活に。現在は暇さえあればコミックを電子書籍で、小説を文庫本でというスタイルで乱読を継続中。登山の友として本を持参するものの疲れて読まずじまいに多々陥る。好きな作家は司馬遼太郎と安部公房。

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