ブックキュレーターhonto編集員
シンプルな言葉に「うーん」と考えさせられる。やさしくて深い、心に響く詩集
伝えたいことを、短い表現にギュッと凝縮させた詩集は、心に響く言葉の宝庫です。一行一行を深く味わい、自分なりに意味を見出しながら「深いな・・・」と唸ることができるのは、詩ならでは。特に平易な表現で書かれた詩であればあるほど、心にスッとしみわたる気がするでしょう。そんな「やさしくて深い」という言葉がぴったりな詩集を集めてみました。
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いのちのうた まど・みちお詩集
まど みちお(著)
「ぞうさん」など親しみやすい詩をたくさん遺した、まど・みちおの詩集。カボチャがどっしり座っている姿を、肩が凝っているようだと捉える「カボチャ」、噴水が昇り降りする様子を軽快に表現した「ふんすい」など、自然物や生き物を題材に、ひらがなベースで語ります。独自の視点にはっとさせられる、哲学的な言葉が満載です。
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みみをすます
谷川 俊太郎(著)
長い長いひらがな詩に圧倒される、谷川俊太郎の異色詩集です。『ぞうりのぺたぺた』など日常的なものから、『しんでゆくきょうりゅうのうめき』といった想像上の音にも、耳を澄まします。読んでいるうちに、しんとした空間で耳をそばだてているような気分になり、深い瞑想の世界に迷い込んでゆくようです。
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草野心平詩集
草野 心平(著)
「蛙の詩人」といわれた著者。前半は蛙の生と死をつむぐ詩が中心の詩集です。誕生してすぐ人間に踏みつぶされたり、蛇に食べられてしまう蛙の死生観を、あっけらかんと表現。「死んだら死んだで生きていくのだ」など、シンプルな言葉の組み合わせながら「どういう意味だろう」と、死と生について考えさせられる一行が散りばめられています。
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賢治の代表作を厳選し、各詩に解説をつけた詩集。自分の身体と思想が離れている風景を描いた「林と思想」、旅の途中に妹の死について思いを巡らす「青森挽歌」など、どれもひらがなベースで平易な語り口ながら、淡々と語られる風景に哲学的な思想をのせています。内面をとことん見つめたいという気持ちが伝わってくる一冊です。
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あいたくて
工藤 直子(著) , 佐野 洋子(画)
『からっぽの手は さむい』と、誰かとつないでいない手の寂しさをうたった「手をください」、誰かを好きになることは『こころをちぎること』とした「痛み」など、人とのふれあいを、身体の各部分を擬人化させるなどして深く見つめた詩が満載。著者と一緒に、日常の何気ない風景を穴が空くほど見つめたくなります。
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