アニメ・実写化作品とは一味違う!?米澤穂信の隠れた名作

自営業をはじめようと犬にまつわる事件専門の探偵社を開設した紺野と、相棒のハンペーの活躍を描いた小説です。犬専門のはずが失踪人の捜索や古文書の解読の依頼が舞い込み、二手に分かれて紺野とハンぺーは事件を解決していきます。異なる二つの事件をクロスさせ、一つの点に結びつける著者の手腕が光る一冊です。

著者の小市民シリーズ第一作といわれる小説です。友達以上恋人未満の関係である高校生・小鳩くんと小佐内さんは、目立たず慎ましい小市民を目指しています。目立ちたくないのに、次々と事件が現れ、必要に迫られて毎回事件を解決していく2人。やる気がない探偵が事件を解決するギャップに、クスッとなるストーリーです。

外国から短期間、日本を訪れた少女 マーヤと4人の高校生が過ごした2カ月間と、マーヤが母国に帰国した後の日々が描かれています。天真爛漫で妖精のようなマーヤですが、帰国先の国だけは4人に教えません。マーヤの帰国先を4人の高校生が突き止めるミステリーとしてはもちろん、恋愛や友情を描いた青春小説としても楽しめます。

父が起こした事件がきっかけで、母の故郷である坂牧市で暮らしはじめた中学生のハルカ。この土地で起こる役人失踪事件、弟の未来予知、地元のタマナヒメ伝説がからみ合あった事件にハルカは挑んでいきます。事件の結末もさることながら、父の事件にもめげずに見知らぬ土地で奮闘するハルカを応援したくなる一冊です。

夢想家のお嬢様たちが集う読書サークルを中心に起こる5つの物語を描いた小説です。お嬢様たちが物語の語り部となり、どこか毒のある童話のようなダークで甘美なミステリーが展開します。短編は独立していますが、読書サークルという共通点でつながることで、全編を通して物語にストーリー性が感じられます。