ブックキュレーターhonto編集員
奇妙な世界の入り口はすぐそばにある!そう思わせられる言葉の魔術師たちの本
日常の出来事を淡々と描写しながらも、異世界への扉を見つけることができる。または、奇妙な世界への入り口はすぐそばにある。そんな気にさせてくれる本を紹介します。イメージが折り重なっていくような語り口に浸ることであなたの中に眠っていた感情が呼び覚まされ、今までと違う風景が見えてくることでしょう。
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![美しい街](https://img.honto.jp/item/2/184/250/28349987_1.png)
![カステラ](https://img.honto.jp/item/2/184/250/26172190_1.png)
![忘れられる過去](https://img.honto.jp/item/2/184/250/03479926_1.png)
![怪しい来客簿](https://img.honto.jp/item/2/184/250/00618691_1.png)
![笛を吹く人がいる 素晴らしきテクの世界](https://img.honto.jp/item/2/184/250/28579561_1.png)
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美しい街
尾形 亀之助(著) , 松本 竣介(画)
戦前の詩人、尾形亀之助の選詩集です。日常風景、人々、生活を愛でることの大切さを感じることができます。うつむき気味な現代の私たちに、ほんの少し上を向く勇気を与えてくれるでしょう。巻末に掲載された能町みね子によるエッセイでは、この戦前の詩人の作品が時を超えてなぜ私たちの感情を揺さぶるのか、ということが解説されています
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カステラ
パク ミンギュ(著) , ヒョン ジェフン(訳) , 斎藤 真理子(訳)
韓国人作家パク・ミンギュによる短編集です。グローバリズムと競争に翻弄され、いつまで頑張ればいいのかと悲鳴を上げそうになっている人々を、ユーモアを交えて描いています。表題作は表紙から連想するイメージからは程遠い、意外な展開が待ち受けています。その演出に、感動を覚えることでしょう。
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忘れられる過去
荒川 洋治(著)
現代詩作家・荒川洋治のエッセイ集です。詩のような文体で書かれたものもあり、不思議な浮遊感を味わえます。詩を書く人ならではの、「世界」の切り取り方を堪能してください。ゆっくりと穏やかな言葉の運びによって、贅沢な時間を過ごせるはずです。
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怪しい来客簿
色川 武大(著)
『麻雀放浪記』の著者・阿佐田哲也としても知られている、色川武大の短編集です。日常なのか夢なのかわからない、そんな曖昧な境界線の上を歩いているかのような短編が収録されています。道を外れてしまった人たちの滑稽さは他人事のように思えて、私たちも同じ世界で生きていると思わされます。人間の悲哀とおかしさを存分に堪能してください。
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笛を吹く人がいる 素晴らしきテクの世界
宮沢章夫(著)
宮沢章夫のエッセイの面白さは、鋭くキレのあるツッコミ力にあります。本書では些細な出来事から膨らんだ、イメージの洪水が書き留められています。さまざまなテクニックについての考察に、「よくそこまで思いつくなあ」と唸らされるでしょう。思わず笑ってしまうユーモア満載なので、一人のときに読むのがオススメです。
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