なんとしてでも復讐を!!主人公に同情し、手に汗握るリベンジ小説

つらい過去を負う圭輔と、圭輔の人生を踏みにじる達也が戦いをくり広げる小説。小学生の圭輔は両親を亡くし、遠縁で同学年の達也と暮らすことになります。圭輔をこき使う養母と、嫌がらせをくり返す達也。自立した後も執拗に人生を壊そうとする達也に圭輔は対峙します。圭輔の悔しい気持ちに、読む側も拳を握りたくなります。

７日間しかなかった「昭和64年」の間に起こった誘拐殺人事件「ロクヨン」を、どう解決するかがカギとなるミステリー。当事件が時効間近となるなか、誘拐事件が勃発します。身代金の額や受け渡し方法は「ロクヨン」とまったく同じ。「ロクヨン」で犯人を逃した捜査員たちの、リベンジに燃える行動が読者の胸を熱くします。

47歳の一（はじめ）が、娘に暴力を振るった高校生を倒すべく奮闘するストーリー。一の娘を殴って入院させたのは、なんとボクシングの高校生チャンピオン。拳の力で復讐するために謎の男子高校生たちから手ほどきを受け、たくましくなる一の姿が頼もしい。決戦の日に向けて燃え盛る復讐心に、読み手のテンションも上がります。

両親を殺された幼い3兄妹が犯人への復讐を流れ星に誓い、大人になってから復讐計画を実行に移す物語。事件解決のためなら命も懸けるとばかりに、詐欺まがいの仕事に手を染めていく3兄妹の姿が、痛々しく胸に迫ります。犯人に動かぬ証拠を突きつけることができるのか、主人公たちの切迫した心情が伝わり、ハラハラします。

飛行機事故で妻子を失った広秋が、事故の生存者が妻子を殺し、その肉を食べて生き永らえたことを知り、復讐心に燃えて関係者を次々と手にかけていこうとするサスペンスです。「生存者たちに自らの肉を食らわせる」という復讐計画は、おぞましいもの。しかし、広秋の無念さを思えば当然だと思えてしまうから不思議です。