不思議な世界はすぐそこに・・・日常に潜む奇妙に引きずり込まれる本

おもちゃから死体まで、さまざまな物を修理できる玩具修理者、自分の記憶にはないのに親友と名乗る男など、正体不明な登場人物が主人公たちを不思議な世界にいざないます。表題作の玩具修理者では主人公が、事故に巻き込まれた弟の修理を依頼。日常に現れた不思議に知らぬ間に浸かっていく主人公たちの姿に、ゾクッさせられます。

日常に潜む恐怖や謎を描いた7つの短編が収められた一冊です。いつもの道を曲がったはずが存在しない場所にたどり着く、異様な収集癖をもった男、隣家の裏庭に現れる人など、どこかずれた人や世界が読者を奇妙な世界に引きずり込みます。どの短編の結末も、提示ではなく暗示されるので、想像力や恐怖を駆り立てられます。

普通の生活に、知らぬ間に忍び寄る怪異や不思議な出来事を描いた一冊です。自宅、仕事帰りのタクシーのなか、通りがかりの橋など、普段誰もが足を運ぶ場所が物語の舞台になります。恋をしたり、仕事をしたり普通の生活をこなすなかで、いつの間にか不思議な世界に迷い込んだ主人公たちとともに、奇妙にどっぷり浸れます。

口裂け女やトイレの花子さんのように、世に蔓延する都市伝説のような出来事を描いた短編集です。主人公がインターネットに流した架空の怪人が、現実に現れて殺人を犯す、何度も1日をループする公園など、不思議な災難が登場人物たちに降りかかります。静かな日常の隣には、予想もしない怪異が潜んでいるかも・・・と思わせられます。

実在のテレビ番組「世にも奇妙な物語」を著者がオマージュした一冊です。シェアハウスに住むことになる女性、親への対応に悩む保育士など、普通にいる人々が主人公の短編が並びます。しかし、彼らには意外性のある想像以上の出来事が待ち受けているのです。怪物や幽霊でなく、人が巻き起こす奇妙な世界を体験できます。