読んで、美味しい。思わず作りたくなる、極上の料理エンターテインメント

日本人には馴染みの薄いエスカルゴがメインのビストロに挑戦する、男子2人の抱腹絶倒コメディ。作者の奇想溢れる未知の味を巡る冒険は、「こんなものを食べてみたい」という食への原始的な興味を思い出させてくれます。油揚げにチーズを入れてこんがり焼いた人気の一品「チーズキツネ」は、ぜひ自分で作ってご賞味あれ。

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下町のフレンチレストランの変人シェフとスタッフたちが、様々な事件の謎を解き明かす連作ミステリ第２弾。表題作では、シェフお得意のスパイシーなホットワイン「ヴァン・ショー」の秘密が、フランス人のおばあさんと家族との心温まる物語にあったことが明かされます。寒い冬に飲めば（読めば）元気になること間違いなし！

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小説家の＜ぼく＞のところに持ち込まれる難事件を、その妻が次々と解決していく。抜群の推理力で犯人をズバリと言い当てる場面も痛快ですが、心惹かれるのは妻の家庭料理――筑前煮、芋きんとん、アラメの煮つけなど。限られた食材で相手の食べたいものを作る料理上手の洞察力は、名探偵の素質といえるのかもしれません。

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コロッケ、おでん、オムライス、ポテトサラダ・・・懐かしい食べものは心を満たすものと実感できる本作は、亡き夫のあとを継いだ姑と嫁が仲良く切り盛りする下町の食堂で巻き起こる人情物語です。食堂で働いていた作者ならではの臨場感あふれる仕入れや調理の場面は、読みごたえたっぷり。巻末には人気料理のレシピ付きです。

惣菜カフェを始めるシングルマザー・珊瑚に、ひょんなことから赤ん坊の世話をすることになった＜くららさん＞がふるまう「大根スープ」。大根の茹で汁に塩を入れただけという、シンプルだけれど滋味に富んだ力強いこの料理は、誰かと食を共有することで人は再生するという本作の大切なメッセージを象徴しているのです。