同じ作家として嫉妬し、「私もこういうのを書きたい！」と憧れてしまう小説

遺産2億円を巡って起こる謎と騙し合い！2億円が誰の手に渡るか最後までハラハラ。ライセンスの藤原氏といえば売れっ子のお笑い芸人さんで、ルックスも抜群。その上こんな面白い作品をお書きになるのね、と脱帽しました。アクション・ミステリーという決して私が書けないジャンル。こんな風に書けたら楽しいだろうなあ。

いなくなった妻を捜す夫の悲劇の物語かと思いきや、夫にも秘密があり、誰が被害者で加害者なのかわからなくなります。誰が真実を語っているのか？誰が正常なのか？そういうあやふやさが、もう大好きです。映画化もされましたが、原作の方がもっと濃密に描かれているので楽しめるはずです。

拉致監禁されている女、アレックス。なぜ監禁されているのか謎のまま物語は進みます。アレックスが助かるのかどうかがメインの筋だと思って読んでいると、後半に衝撃の展開が！全ての謎が最後に解けた時、涙が止まりませんでした。こういう心揺さぶる作品を自分でも書きたいと、厚かましくも思ってしまいます。

ネビュラ賞を受賞した表題作を含む短編集。宇宙人と人類がコンタクトを取る話だと聞いた時、SFを理解できる高度な脳味噌を持たない私には無理だと思いました。けれど！読んでみればこの作品は、美しく、切なく、そして涙なくしては読めない愛の物語でした。私のようなSF初心者にも超おススメです！

江戸に似た架空の都市で、精巧な機械人形の遊女を作り心を宿らせる男を軸にしたミステリー短編集。SFに加えて時代小説用の脳味噌も持たない私が、機械人形の遊女という耽美な世界観に魂を掴まれました。謎解きも艶やかで、読書中ずっと陶酔状態。小説でこんなにも人を酔わせることができるのかと刺激を受けた作品です。