あらすじはひと言！でもめちゃくちゃおもしろい！夢枕獏の世界

あらすじ：安倍晴明が事件を解決する話。基本的に短編で読みやすく、夢枕獏入門にぴったり。稀代の陰陽師として名高い安倍晴明とおっとり大らかで雅楽を愛する源博雅が、ホームズとワトソンのように謎や事件を解決していきます。伝奇小説としてもミステリーとしてもおもしろく、どんな人にも楽しんでもらえるシリーズです。

あらすじ：男が山に登る話。水や食べ物を求めるように、激しい飢餓感でエヴェレストの冬季単独登頂を目指す登山家・羽生丈二。その生き方は痛々しくもあるのですが、余分なものを捨て去って頂だけを目指す姿は羨ましくも感じます。「そこに山があるから」という有名な言葉が、まったく違って聞こえるようになる一冊です。

あらすじ：空海が中国でも活躍する話。日本各地に多くの伝説が残る空海（弘法大師）ですが、実は大半が訪れたことのない地域なのだそうです。自信家で多才で魅力的な空海のこの物語を読むと、当時の人々はさぞ彼に魅了され熱狂したのだろうなと想像させられます。名を冠した伝説を残したくなるのも無理もないかもしれません。

あらすじ：ブッダが悟りを開く話。異形の生き物や異能の戦士が登場する伝奇小説ですが、ブッダが悟りを開き、すべて『是』であると高らかに宣言するシーンは「これが史実では」と思わせるほどの圧巻の説得力。当初1巻のみで完結していたのでややテイストが異なりますが、世界感にハマりたいのなら全巻読みがオススメです。

あらすじ：男が拳で戦う話。筋肉のうねりや滴り落ちる汗の軌跡すら見えてくるような迫真の格闘シーンは、まさに夢枕獏の真骨頂。「強さとはなにか？」という問いに答えを求め、さまざまな格闘家と戦うだけの話と言えばそうなのですが、これがめちゃくちゃおもしろい。1巻のみでも問題ないので、興味がある方はぜひ読んでみてください。