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江戸の闇に潜むのは・・・。物の怪たちが非日常に誘ってくれる時代小説
時代小説と聞くと、「人情もの」や「捕り物帖」を思い浮かべる方が多いかもしれません。今より闇が深かった時代、人とともに江戸の夜を闊歩した物の怪たちと会うことができる本をピックアップしました。人々の生活に溶け込んで時に恐ろしく、時に哀れな人外のものたちとの邂逅は、きっとあなたを非日常の世界に連れていってくれるはずです。
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希代のストーリーテラー・宮部みゆきの時代小説のなかでも、ことに不思議な彩りに満ちた一冊です。不幸な出来事で心を閉ざす少女・おちかが、さまざまな人によって語られる不思議な物語を集めるという連作短編集。物語はつながり合い、やがて意表を突く大団円を迎えます。怖く、やさしい摩訶不思議な世界に浸りたい方にオススメです。
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驚くほどたくさんの妖怪が出てくる時代小説です。主人公は江戸屈指の薬種問屋の若旦那。生まれつき病弱で引きこもりがちなその身の回りには、つねに何匹もの妖怪がにぎやかに取り巻いています。人と妖怪が引き起こす騒動を、明るい筆で生き生きと描いたエンターテイメント時代劇。テレビドラマ化もされた名作です。
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うわん 1 七つまでは神のうち
小松 エメル(著)
きっぷがよくてチャキチャキの医者の娘・真葛が、世にも恐ろしい妖怪と丁々発止の戦いを繰り広げる江戸を舞台にした小説です。弟に取りついた大妖怪を払うために、999匹もの妖怪を捕えなければならなくなった真葛。妖怪に造詣の深い小松エメルが描く物の怪と主人公の息詰まる駆け引きに、最後まで目が離せません。
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舞台となるのは「享保の改革」少しあとの江戸中期。津軽から出てきたゴミソ(津軽の男性霊能力者のこと)の鐵次が、亡魂を相手に繰り広げる捕り物帖仕立ての連作短編集です。江戸の暮らしの細かい部分も非常に丁寧に描かれており、本格時代小説ファンにも納得の一冊。主人公のやさしさと情の深さは、まさに時代劇の醍醐味といえるでしょう。
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東亰異聞
小野 不由美(著)
江戸が「東亰」に改まって27年、まだ夜の闇が深い街角で起こる不気味な事件の数々。時代は明治でも俯瞰すると底深くに江戸が透けて見える、そんな不思議な雰囲気をまとった物語です。『屍鬼』『残穢』でホラー小説に一石を投じた小野不由美が紡ぎ出す、どこか耽美な気配を秘めた怪奇譚。ぜひ、じっくりと味わってください。
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