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クールでタフで色気たっぷり。そんなおっさんが活躍するハードボイルド小説
『タフでなければ生きて行けない。優しくなれなければ生きている資格がない』。この言葉はレイモンド・チャンドラーの小説に登場するセリフで、ハードボイルドというジャンルをうまく表現しています。つまりハードボイルド小説には、精神的・肉体的に強靭ながらも内には優しさを秘めた男が必要なのです。ここでは、そんな男が登場する珠玉の物語を紹介します。
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魅力的な登場人物と洒落た会話、優れたストーリーで彩られる古典的名作。その中でも群を抜いて優れている点は主人公フィリップ・マーロウの存在です。グラスを片手に皮肉の効いたセリフを吐く彼は、決して善人とは言えません。だけど多くの読者がフィリップ・マーロウに惹かれるのは、彼が太く揺らぎのない信念を持っているからでしょう。
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初秋
ロバート・B.パーカー(著) , 菊池 光(訳)
私立探偵スペンサーが「離婚した夫が連れ去った息子を取り戻してほしい」という依頼を受けますが、その少年は他人に対し心を完全に閉ざしていました。そこでスペンサーは少年を自立させるため優しさと包容力をもって、時には厳しく、育て上げます。依頼と関係のない無償の愛を少年に捧げる姿に惚れ惚れするはずです。
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超空間ゲートで異世界と繋がった都市を舞台とした一風変わった刑事アクションで、異世界の美少女騎士と元兵士の凄腕刑事ケイ・マトバがタッグを組んで活躍します。彼はミニクーパーやマセラティを格好良く乗りこなしつつ、車に跳ねられていた猫を大切に育てているという優しい一面も見せるクールなおっさんです。
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パルプ
チャールズ・ブコウスキー(著) , 柴田 元幸(訳)
パルプ雑誌(アメリカのチープな漫画雑誌)のようなB級感に満ちた、異色のハードボイルド小説です。55歳の自称「スーパー探偵」ビレーンは、酒と女に取り憑かれろくに仕事もしません。しかし、彼のアイロニーでコミカルな言動は不条理な社会への風刺でもあり、タフに生きるハードボイルド精神を垣間見ることができるでしょう。
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獣たちの墓
ローレンス・ブロック(著) , 田口 俊樹(訳)
元刑事の酔いどれ探偵スカダーを主人公とした「マット・スカダー」シリーズの代表作です。スカダーは過去に強盗を逮捕するために撃った銃弾が逸れ、7歳の少女を死なせてしまいます。それ以降、彼は酒に溺れながらも教会に足を運び、少女への弔いの気持ちを込めて蝋燭を灯しています。そんなスカダーが、本書ではある殺人事件に挑んでいます。
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