ブックキュレーターhonto編集員
文学と音楽の幸福な蜜月。読むパンクロックのような小説
インスピレーションの源として文学作品を挙げるミュージシャンや、その作中に音楽を登場させる作家など、音楽と文学は少なからず影響を与え合っているものです。ここではパンクロックからの影響が感じられたり、影響を与えたとされる小説を紹介します。主人公たちはすべからく退廃的ですが、まともに生きざるを得ないわれわれの心を揺さぶります。
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中島らもによる自伝的小説です。睡眠薬やアルコールで酩酊した頭から紡ぎだされる言葉の波が続くさまは圧巻のひと言。あまりにも自堕落な生活ぶりを見ていると読んでいるこちらの方が不安になるほどなのですが、それもまた人生。共感する部分と拒絶する部分が入り交じるさまは、まさにパンクロックを思わせます。
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介護入門
モブ・ノリオ(著)
著者は知る人ぞ知るパンクバンドに在籍していた元ミュージシャン。『介護入門』というタイトルですが額面通りの内容ではなく、マリファナに浸りながら祖母の介護をするというなんともパンクでアナーキーな設定です。歌詞のように紡がれてゆく独特の文章とともに、その不思議な世界観をご堪能ください。
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勝手に生きろ!
C.ブコウスキー(著) , 都甲 幸治(訳)
米国を代表するパンク作家であるチャールズ・ブコウスキー。著者の20代ころをモデルとした主人公は定職にもつかず、酒を飲んではケンカをする。そんな身も蓋もない日常が綴られています。決してマネしたいとは思えないのにそれでもなぜか心惹かれるのは、退廃的な生き方へのあこがれ、といえるのかもしれません。
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ジャンキー
W.バロウズ(著) , 鮎川 信夫(訳)
ルー・リードやカート・コバーンといった伝説的なミュージシャンもその影響を公言している、伝説的な作家のデビュー作です。麻薬中毒者であった自身の経験を淡々と語っています。それが正しいかどうかは別として、明確な生き方がここにはあります。だからこそ多くの読者が、この物語に引き込まれているのでしょう。
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