なんでこうなった!?ある「きっかけ」で人生の歯車が狂い始める物語

地方の書店員として働くミチルは、ほんの気まぐれから、勤務中にもかかわらず不倫相手と飛行機に乗って東京へ来てしまいます。ふわふわとして、ただ状況に流されるミチルは思わぬ大金を手にしたことで、さまざまなトラブルに巻き込まれます。確固とした自分をもたないミチルの未来は、決して明るいものではないといえるでしょう。

タクシーの中でスマホを落としてしまった富田。このスマホを拾った人物は、富田の彼女である麻美を気に入り、彼女を監視し始めます。スマホという小さな機械から次々と丸裸にされていく個人のプロフィールと行動。便利なはずのスマホがこんなにも人を追い詰める・・・ということに、背筋が寒くなります。

作家の愛葉條司は、娘への愛しさで胸がいっぱいになるような幸せな日々を送っていました。しかし、娘が3歳になる頃、妻が突然家を出て行ってしまいます。四苦八苦しつつ何とか娘を育てる條司。母がいなくなったことで不安を感じる娘の様子と、胸が苦しくなるような條司の思い、そして衝撃のラストにはただ言葉を失います。

並走する電車の窓に、自分とそっくりな人物を発見した理司。後日警察がやってきて、理司は婦女暴行の疑いで任意同行を求められます。「自分は絶対にやっていない！」という思いを抱え、理司はその場から逃走。身を潜めながら真犯人を探し、対決する機会を伺います。自分と似た人間が犯罪者だったら、と思うとゾッとします。

食品会社の経理課に勤める32歳独身のサラリーマン・修一に、なんと2億円の宝くじが当選。大金が引き寄せる人物や出来事は、本人の望む望まないに関わらず、巨大な渦となって彼を巻き込んでいきます。宝くじ高額当選をきっかけに、さまざまなトラブルが発生しても、お金というツールに染まらない修一の姿が印象的です。