ブックキュレーター楽工社 営業部 長至巳
あのベストセラーを読んで、瞬時に思い浮かんだ本5冊をご紹介させていただきます
小さな出版社の営業をしております。2011年に発売された翻訳本のロングセラーが、2018年秋、急に「気になる動き」になってきたのは、実はあの本が起点だった!ふと近所の書店のランキング台で立ち読みしていたら、前述のロングセラーの著者の名前が何度も出て来て、ようやく得心しました。そのとき僕の脳内に浮かんだ5冊が以下のものです。
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無数のトラップが張り巡らされていることは既に「お品書き」で表明されており、読者にとって了解事項でありながら、なおかつその遥か上をゆく多彩なトラップに、矢継ぎ早に翻弄されるのがとにかく愉しいです!知識の上でも行動の上でも「役に立つ」ばかりか、エンタメとしてもアミューズメントとしても蠱惑の構築物ですね。
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前述の「勘違いさせる力」でしばしば引用されているこの本は、2002年ノーベル経済学賞受賞者ダニエル・カーネマンの代表作です。早川文庫版上下巻で計873ページと歯応え抜群の大冊ですが、そのカーネマンは「経済学の授業を受けたことがない」心理学者。旺盛にジャンルを越境するエネルギーが、凄い後進たちを挑発!
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ダニエル・カーネマン心理と経済を語る Nobel Prize Lecture and other essays
ダニエル・カーネマン(著) , 友野 典男(監訳) , 山内 あゆ子(訳)
私どもの出版社のロングセラーです。前述のカーネマンのノーベル賞記念講演と「自伝」も収録されており、彼が何者かを知るには最適の一冊です。また、彼自身が一般向けに「ヒューリスティックスとバイアス」について平易に語った「行動経済学」入門書でもあり、さらには盟友トヴェルスキーとの交友録を読むことも出来ます。
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かのカーネマンとトヴェルスキーのヒューマンドキュメントとして『かくて行動経済学は生まれり』を記したマイケル・ルイスの代表作といえば、『マネーボール』。まったく野球プロパーではない彼が球界に与えた圧倒的影響力は、「ベースボール宗教戦争」とすら呼ばれたそうですが、日本ですら明々白々な新潮流になりました。
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本当は強い阪神タイガース 戦力・戦略データ徹底分析
鳥越 規央(著)
2013年の開幕の時期に出た本です。ちくま新書で、鳥越規央が、阪神本?と半信半疑ながらも買ってしまいました。本当は強かったはずの阪神は2018年秋現在もこのていたらく。情報戦でもあり肉弾戦でもあり希有なエンタメ産業でもあるこの世界、「背広を着ているひと」の重要性が今もって阪神には浸透していないぞ。
ブックキュレーター
楽工社 営業部 長至巳1963年生まれ。出版と書店に関わる仕事を始めて四半世紀を超えました。ちょっと長い無職期間を抜け出し昨春(2017年)より業界復帰、現在は飲食に関わる翻訳書の出版社に勤めております。出身が茨城県で、大学が京都市で、地方出張も多い仕事のおかげで、日本の中で未踏の都道府県は宮崎県のみになりました。好きな作家・山田風太郎。別名で『1985』という小説を上梓したことがあります。あの『1Q84』より10年前に。
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