ブックキュレーター漫画家 倉田真由美
一番はやっぱりミステリだなあ。最近夢中で読んだ5冊
どうしても、紙の本がいいのは古い人間の証拠なんですかね。ネットで読む記事も結構あるのに、小説や漫画は紙でないとイヤなんですよね。どうしてなのかなあ。癖というのか、小さな自分ルールの一つです。もっと小さなルールでいうと、例えば寝る前にはギャグ漫画は読めないとか(多分、仕事を想起させられるから)、電車などでの移動中には漫画より小説がいいし(漫画はすぐ読み終わっちゃうから)、ホラー漫画は夜寝そべって読みたいとか(怖い気分が盛り上がるから)、恋に浮かれている時は恋愛ものは読みたくないとか(他人の恋がどうでもよくなるから)、ジャンル別のこだわりがいくつかあります。そんな中、いつでもどんな時でも読みたい、読めるのはミステリです。人が死ぬ、殺される話ってどうしてこう吸引力があるんでしょうか。そういえば長男出産の直後、ベッドの上に残酷な連続殺人のミステリ小説を置いていて、見舞いに来た義母の顔が引きつっていた記憶があります。人生最後に読む本を5冊を選ぶとしたら、きっと3冊はミステリなんだろうなあ。
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祈りの幕が下りる時
東野圭吾(著)
やっぱり東野圭吾ですよ。さらにいうと、加賀さんですよ。ガリレオ先生も素敵だけど、好みは加賀さんだなあ。今回も「え?」と声を出してしまうほど、予想を裏切る仕掛けがいくつもありました。それにしても今回のヒロインの母親は最低な女だったなあ。しかも、リアリティのある最低さ。お前のせいだよ!と胸倉つかんで揺さぶりたい。
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ここ数年のお気に入り、前川裕さんの相変わらず不気味なミステリ。むしろホラー?なんだかそんな雰囲気もどんぴしゃで実に好みなんです。この作品はどうとらえたらいいのか、ラストをどう解釈するべきか、かなり悩みます。行方不明って、なんて恐ろしい現象なんだろう・・・。
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『クリーピー』と同じ登場人物が出てきますが、それはあんまり関係なかったので前作を読んでない方もいきなり読めます。この作品の一番の売り(不気味さ)はやっぱり、スクリーチでしょう。あっさり解釈されますが、それが残念なほど気持ち悪い!そのシーンを想像すると脳が凍りそうになります。
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主よ、永遠の休息を 改版 新装版
誉田哲也(著)
『ストロベリーナイト』の著者、誉田哲也先生の実に読みやすい作品。でも後味は最悪でした。不快な描写もあり、思わず眉根を寄せながらページをめくっておりました。ただ本当に、読みやすい!
ブックキュレーター
漫画家 倉田真由美大学卒業後、「ヤングマガジンギャグ大賞」に応募し大賞受賞。2000年ダメ男を好きになる女たちを描いた『だめんず・うぉ~か~』連載開始。その後も『もんぺ町ヨメトメうぉ~ず』、アイドル漫画『終末アイドルフルフル9』『トーキョーはらへり散歩』『くらたまの恋愛やり直し!!塾』など、多数の漫画や書籍を執筆。現在は執筆活動のほかにテレビ・ラジオ出演、トークショーと多方面で活躍中。趣味は読書で好きなジャンルはミステリー、ホラー、好きな作家は貴志祐介、前川裕、小野不由美。
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