ブックキュレーターhonto編集員
不思議な世界に迷い込む物語~近代文学編~
明治から昭和に書かれた近代文学には、不思議な世界を描き出した名作が多く残されています。私たちの日常とは異なる世界、現代を生きる私たちには想像もつかないような世界。少し怖い、だけど、覗き見たくなる世界を、文章で楽しんでみませんか?現代ほど自由ではなく、便利でもなかった時代。だからこその深みや不思議さがあります。
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外科室・海城発電 他五篇
泉 鏡花(著)
泉鏡花は明治から昭和にかけて活躍した文豪で、美しい文体とどこか現実離れした世界観に定評があります。印象的なのは本書のタイトルにもなっている「外科室」。重い病を得た夫人が心のうちに秘めておきたい秘密と、執刀医である若い医師の純粋すぎる恋の行方は、現代に生きる私たちには想像できない壮絶さに満ちています。
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江戸川乱歩の探偵小説を子どもの頃に読んだ方も多いと思います。そんな方はマニアックで、重く澱んだ空気をまとった「大人向けの乱歩」はいかがですか?婦人の椅子になりたい男、狭い長持の中に閉じ込められた男の恐怖、鏡の魅力に囚われた男。日常ではまずお目にかかれない不思議な世界、ゾクゾクしますが不思議と楽しいはずです。
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谷崎潤一郎作品の根底にあるのは、「女性への思慕と崇拝」です。マゾヒズム小説集というだけあって、女性に虐げられたり、馬鹿にされることにアイデンティティを見いだす男たちの喜びと少しの悲しみを、ぜひご覧ください。「少年」に描かれた、少年少女たちが閉ざされた世界の中で目覚める快楽の描写は必読です。
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恋人たちの森 改版
森 茉莉(著)
森鴎外の愛娘である森茉莉は、父の溺愛を受けて育ちました。「恋人たちの森」「枯葉の寝床」「日曜日には僕は行かない」の3編においては、どこか鴎外を彷彿とさせる壮年の男性と、美しい青年の恋物語が描かれています。彼らを待つ悲しくも美しい運命と、独特な文章で紡がれる世界に魅了されることでしょう。
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