留学前に知っておきたい！ルーツが実感できる日本の神話と関わりのある本

神話とともに誕生した日本という国の歴史の流れが、本書を読めばスムーズに頭に入ってきます。一つひとつの歴史的事件を取り上げるのではなく、大きな川の流れを見るように、日本の歴史を俯瞰して見ることができるでしょう。それは、日本人としてのルーツを見ることに繋がるはずです。

日本の最初の神様とも言える、イザナミとイザナギを題材にした物語です。神と言いながらも、その感情や感性のあり方がとても人間的で、女性ならイザナミに感情移入して苦しくなるかもしれません。人間の感情移入を許す神様というのは、日本独特の存在だといえるでしょう。

「古事記」をベースにしたお話で、国と国との争いに巻き込まれる少女を描きつつも、国のあり方が壮大に描かれたコミックです。「転生」がテーマとなっており、その「転生」という発想のあり方がとても日本的といえるでしょう。怒涛のドラマに酔いしれながら、一気に読み進めることができます。

本書から『白鳥異伝』『薄紅天女』と続くこのシリーズは、「日本神話」を基にした物語です。八百万の神が存在し、それらに敬意を払っていた古代人の感性が私たちの中にもあると気づくでしょう。すべての神々がみな感情を持ち、それぞれの物語を持っています。勾玉をめぐる冒険譚としても読み応えがあります。

「古事記」をベースにした物語で、コミカライズや宝塚歌劇で舞台化もされている本書から、日本人特有の死生観を知ることができるでしょう。仁徳天皇が愛した女性と、その女性を愛した青年の壮大なラブストーリーに終わらず、「魂」というもののありかを問いかけてきます。「魂」という発想が日本人独特の感性なのかもしれません。