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未知の日本語がいざなう不思議な読書体験。多和田葉子の小説・詩・エッセイ
2018年に全米図書賞を受賞、世界的な評価も高い作家・多和田葉子。日本に生まれ、ドイツで暮らし、日独2ヵ国語で書き続けてきた彼女の作品は、日本/海外文学どちらでもないような独特の魅力にあふれています。普段馴れ親しんでいる言葉がみせる未知の表情と、それらが生み出す不思議な読書体験。ここでは初めての読者にオススメの本を集めました。
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ヨーロッパ滞在中に母国が消滅してしまったHiruko。留学生から一転、流浪の民となった彼女は、生き抜くために独自の言語『パンスカ』を作り出します。恋人は『並んで歩く人』、饅頭は『マジパンチョコレート』。自分なりの表現を駆使して仲間を増やしてゆくその姿は、言葉本来のおもしろさと可能性に気づかせてくれます。
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顔も知らない男性と結婚生活を送るために異国を訪れた「わたし」の奇妙な体験が、「、」の多い不安定な文章で描かれる「かかとを失くして」。語り手が語れば語るほど虚実が入り乱れてゆく「三人関係」。主人公とともに翻訳の沼に引きずり込まれる感覚に襲われる「文字移植」。多和田ワールドの原点ともいえる初期作品集です。
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シュタイネ
多和田 葉子(著)
日本語による第2詩集です。地下鉄の車内でスマホが『須磨フォン』に姿を変えれば、そこは光源氏ならぬ無数の指が『ディスプ/レイ』を『いと惜しげ』に愛撫する源氏物語の世界。全編、お仕着せの意味を脱ぎ去った言葉たちが隠しもっていた野性をさらけ出し、見知ったはずの光景を未知へと変えてゆくような印象を与えます。
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