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禁断の愛!夫以外の男性を好きになった女性を描いた西洋文学の名作
「恋する女性はきれいだ」と言いますが、夫以外の男性を愛することは古今東西、社会的タブーとされています。ヨーロッパの文豪が描いた禁断の愛に生きる女性像は、暗い背景の中に色鮮やかに浮かび上がる果実のような艶めかしさがあります。破滅と背中合わせの魅力に心ゆくまで酔いしれることのできる、濃厚な西洋文学の名作を集めました。
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夫と子どもがありながら、本当の恋を知らない19世紀フランス貴族のレナール夫人。美貌と才気で出世を図る貧しい青年ジュリヤンが、彼女の純朴な気持ちを利用しようと近寄ることから悲劇が始まります。それでも彼を純粋に愛し続けるレナール夫人とジュリヤンの運命が、克明な心理描写で描かれて美しく昇華されていく小説です。
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19世紀前半のフランスの田舎で、年の離れた医者シャルル・ボヴァリーとの結婚生活に退屈する若い妻エマ。貴族の舞踏会に招かれたことが転機となって、ナイーブな彼女は坂を転がり落ちるように愛欲と放蕩に溺れて破滅に至ります。現代にも通じる物語を淡々と描く文体が、エマの悲哀を芸術に高める写実主義の傑作です。
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貴族で高級官僚の妻アンナは、モスクワ駅で偶然知り合った青年将校の熱烈な求愛を受けて、ついに1人息子を夫のもとに残して別居を選択。しかし、社交界の冷たい反応や愛人の変心を疑い始めたことから次第に心を病んでいきます。子どもにも会えず、友人も減るといった不倫愛と社会の葛藤について、深く考えさせられる小説です。
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主人公の名前「アーダ」は「地獄」を意味するロシア語。彼女の魅力にどうしても抗うことができない兄ヴァンの視点から、2人が永遠に結ばれるまでを描いた大河小説です。禁断の愛を主軸にして、そこに西洋文学と思想の引用や風刺がふんだんに織り込まれた濃密な長編を読み通すことは、読書家冥利に尽きるといえるでしょう。
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