ブックキュレーターhonto編集員
次世代に語り継ぎたい。戦争が生んださまざまな悲劇を学ぶ本
遠い出来事になりつつある「戦争の記憶」。戦争は何も兵士たちが戦場で繰り広げたものだけに限りません。その影響は兵士のみならず、一般の人々にも波及しました。ここにセレクトしたのは、戦争によって引き起こされたさまざまな悲劇を知るための本です。先人たちが決死の思いで綴った戦争の悲劇を伝えることばに、ぜひ耳を傾けてください。
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生きている兵隊 伏字復元版
石川 達三(著)
1938年に発表された中国での日本軍の行動を記録した小説です。日本軍の実態を告発した本書は、雑誌に発表された直後に発禁処分を受けました。言論統制が敷かれていた戦時中に本書を発表した事実を思い合わせると、著者が小説を執筆したことの重大さがわかるはず。言わば生死を懸けて綴った告発本です。
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石原吉郎セレクション
石原 吉郎(著) , 柴崎 聰(編)
本書は、詩人・石原吉郎を語るうえで欠かせない文章がテーマごとに精選された一冊です。特にシベリア抑留時の体験を記した「確認されない死のなかで」や「強制された日常から」といった一連のエッセイからは、過酷な状況下における人間の倫理と絶望の心理を垣間見ることができます。壮絶な作者の声に耳を澄ませてください。
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黒地の絵 傑作短編集 2
松本 清張(著)
表題作の「黒地の絵」は、朝鮮戦争のさなか、九州にあるアメリカ軍施設から兵士たちが脱走した実際の事件を扱った短編小説です。この短編は兵士たちに乱暴狼藉された妻の復讐劇を扱ったものですが、著者は戦場に駆り出される兵士の不安や絶望を的確に描写しています。その心理に、時代や国籍は関係ないと言えるでしょう。
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流れる星は生きている 改版
藤原 てい(著)
本書は敗戦後の混乱のさなか、愛児3人を連れて中国大陸からの引き揚げた際の記録を綴ったものです。夫と引き裂かれながらも、著者は3人の子どもを連れて日本へ戻る過酷な旅を続けます。その旅中において、家族への思いやりややさしさに触れるにつけ、混乱の原因を作った戦争への怒りが胸に湧き上がってくるでしょう。
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