寝苦しい夜にピッタリ!?背筋がゾクッとする本

学校ではいじめられ、家族にも疎まれている少年が真っ赤な芋虫に刺され毒を持つトゲのある芋虫に変身してしまう。誰からも相手にされなくなり毒虫の本能から人を襲い始める。体が溶けていきグロテスクな毒虫に外見が変わっていくさまを描く画風と彼の内面の変化には恐怖と哀しみを感じます。

出会い系で知り合った「リカ」と名乗った女。当初は気にならなかったが徐々に異常性が明らかになる。ストーキングがエスカレートし、追いつめられていく平凡な会社員。家族にまで危機が迫り、ついに怪物と対峙した時に想像を絶する恐怖が・・・。身近に起こりそうな怖さがひしひしと感じられます。

何の変哲もないマンションで起きる怪異現象により、住民が次々と転居したり、転居先で自殺を遂げたりする。人が変死した「事故物件」について過去に遡り調査を続ける中で判明した「穢れ」という存在。対処のしようがない怖さが身に沁みます。

平凡な会社員の実家近辺で言い伝えがある「ぼぎわん」と呼ばれる謎の邪悪な存在。やがて家族や周囲の人々に不可解な現象が起き、自分が狙われていることを感じる。理由は？撃退方法はあるのか？民俗学や怪談の要素も絡みゾクゾク感満載です。

出版社から作家である私のもとに持ち込まれた怪談の執筆依頼に端を発する連作短編集。救えなかった友人のことなど、かつての体験が脳裏に浮かび書き起こしていくが・・・。バラバラに起きた五つの怪異の登場人物やエピソードの繋がりに気づいた時にはもう引き返せません。