ブックキュレーター西洋思想研究者 淵田仁
「どう考え、どう語るのか」を哲学するための5冊
何かについて説明しようとするとき、しかも他者が納得するような形で、ものを言おうとする私たちはどのように語ろうとするだろうか。哲学的に、論理的に語るだけでひとは納得するだろうか。もっと言えば、〈私〉自身はどのようにものを知れば自らを納得させられるのだろうか。思考し、語ることを考え直すための5冊を選びました。
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コンディヤックの名は今ではあまり知られていない。しかし、当時のフランスで彼の思想はルソーやディドロといった多くの哲学者たちに多大な影響を与えた。本書は私たちが世界をどのように認識しているのかを「分析」という概念を用いて論じている。思考のインプット&アウトプットについて考える18世紀の知的整理術!
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『人間不平等起源論』は社会で生きる私たちが抱えてしまう欺瞞を暴く告発の書である。しかし、ただ告発するだけで人は自らを恥じ入るだろうか。「あ、そうですか・・・」と言わせることなく、批判をするにはどうすればよいのか。本書におけるルソーの語り口は、こうした方法への意識に満ちている。
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〈どう語るのか〉という問いは、物語と切り離すことはできない。つまり、人間は物語る動物である。このような人間観を提示したのが本書である。目の前の現実を私たちがどう捉えてしまうのかを考え直すきっかけのための一冊。著者の『物語は人生を救うのか』もお薦め。
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ルソーの思想の型を「透明と障害」というモチーフで切り取って見せた歴史的名著。透明なコミュニケーションを希求しつつも、つねにそれは失敗(=障害)してしまう。私たちの生とは端的に言えばこういうものではないだろうか。ディスコミュニケーションの問題としてルソーを知るための一冊。
ブックキュレーター
西洋思想研究者 淵田仁1984年福井県生まれ。横浜市立大学商学部経済学科卒、一橋大学社会学研究科博士課程単位取得退学。博士(社会学)。現在、一橋大学社会学研究科特任講師。18世紀フランスの哲学、文学、科学を中心に研究をしている。主な研究対象はジャン=ジャック・ルソー。著書に『百科全書の時空』(共著、法政大学出版局、2018年)、『ルソーと近代』(共著、風行社、2014年)など。訳書にルソー『化学教程』(共訳、月曜社、連載中)がある。
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