犯人が最初から登場!?犯人視点の倒叙ミステリー

死神のような風貌を持つ乙姫警部とイケメンの鈴木刑事が、犯行現場のちょっとした違和感をもとに犯人にじわじわ迫ります。犯人が仕掛けたトリックがすべて開示されず、魅力的な謎が残るため読み応え満点で、警部と犯人の頭脳戦や心理戦を堪能できます。「葬儀屋」「亡霊」など、乙姫警部のちょっと変わった表現の多様さも楽しい短編集です。

大の『刑事コロンボ』マニアとして有名な著者が描く、コロンボ風倒叙ミステリーです。図書館館長、科警研OB、女優、老舗酒造会社社長の犯罪に女性版コロンボといった趣の福家警部補がしつこく粘っこく食らいつきます。少しずつ明かされ、肉付けされていく警部補のキャラクターが楽しい「福家警部補シリーズ」第1弾です。

主人公の刑事・小山田聡介が事件の関係者として知り合うことになった魔法少女マリィ。事件のたびになぜか遭遇するマリィの魔法によって犯人を知ってしまう聡介が、魔法の力に頼りきるわけではなく、いかに犯人が講じたトリックを暴き証拠を突きつけるかが読みどころ。ミステリーの骨格はしっかり保った倒叙ミステリーです。

妻ミランダの浮気を知ったテッド。空港のバーで出会った美女に、冗談半分で「妻を殺したい」と言うことから始まる殺人計画。スピーディで先が読めない展開に、唖然とさせられること間違いなし！緻密な構成で完成度の高い、サスペンスフルな傑作ミステリーです。

遺産目的で叔父の殺害を計画、周到な準備の後に実行に移したチャールズ。成功したかに見えたが、名警部フレンチが立ちはだかり──。世界三大倒叙ミステリーの一つとして名高い本書ですが、心理サスペンス、法廷モノとしても読むことができ、古典ながらも色あせない輝きを感じることのできる傑作です。