密室こそミステリーの華！「密室」をより深く楽しむための本

国内外の密室トリックを用いた傑作ミステリー40作品＋αのガイドブックです。その作品の何がどうすごいのかという解説だけでも充分におもしろいのですが、磯田和一による詳細な図解が想像を膨らませてくれ、実際に読んでみたくなること請け合いです。トリックのネタバレはないのでご安心ください。

ミステリー作家・有栖川有栖と建築家・安井俊夫が密室の魅力を語る対談集です。密室の定義と分類に始まり、建築学の視点での壁・床・入口・鍵の考察、セキュリティ論など、豊富な脚注も楽しい密室尽くしの一冊。入門書的な読み方も、マニアが「密室」の世界により深く入っていくための一助にもなるはずです。

密室の巨匠カーの代表作との声もある、怪奇趣味と不可能犯罪が絶妙にブレンドされた凝りに凝った本格ミステリーです。作中でフェル博士が密室トリックを分類した「密室講義」が特に有名で、ミステリーファンなら必読の一冊だと言えるでしょう。

時代を超え、不可解な密室の事件があるとどこからともなく現れる「密室蒐集家」が華麗に事件を解決していきます。謎と驚きに満ちた本格論理パズルといった趣きですが、不思議な探偵の存在がファンタジックな雰囲気も醸し出しています。2013年に本格ミステリ大賞を受賞した、著者流の「密室講義」も楽しめる傑作短編集です。

名作『殺戮にいたる病』の著者のデビュー作です。8の字形の屋敷で起こる連続密室殺人に、ミステリーマニアの弟と妹を持つ速水警部補が挑みます。カーへのオマージュが散りばめられた、屋敷の見取り図あり、「密室講義」あり、ギミックありの、コミカルなタッチで読みやすい正統派本格ミステリーです。