ブックキュレーターhonto編集員
他人事じゃない。忍び寄る貧困が社会を壊す現実を知る、見る、考える本
モノにあふれ、満ち足りたように見える日本ですが、生活保護の受給者は約200万人、支給額は約3.7兆円に上ります。誰もがちょっとしたことで貧困になる可能性があるうえ、一度貧困になると抜け出すのは難しく、貧困の固定化や社会不安、犯罪につながっていきます。そんな現実を知り、どうすれば解決できるかを考える本を紹介します。
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統計やアンケート調査に基づいて、貧困にあえぐ専業主婦の実態に切り込んだ一冊です。生活費を極限まで切り詰めながらも、働くことを望まないメンタリティや、客観的には貧困なのに、主観的な幸福度が高い理由などを浮き彫りにします。政策や社会環境、教育や情報の格差など、貧困専業主婦を生み出す構造を深く理解できます。
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絶望しないための貧困学 ルポ自己責任と向き合う支援の現場
大西連(著)
貧困者の自立支援を行うNPOの活動ルポです。路上生活者は病気で困っても、福祉の門をくぐるのには勇気が必要です。いったん支援を受け入れても、路上生活者を劣悪な環境に押し込む、おざなりな福祉施設の存在もあって、再び路上に戻る人も絶えません。社会の影の部分に光をあて、貧困が抱える課題を世に問う一冊です。
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誰もがちょっとしたきっかけで貧困になる恐れがあります。どうすれば貧困から脱出できるのか、貧困が巡り巡って自分や社会にどう影響するのかなどを語ります。終章では貧困の連鎖を断ち切り、希望ある未来を作るためにできることを述べます。想定読者は17歳ですが、貧困について知りたい人すべてに参考になる内容です。
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貧乏まんが
山田英生(編)
1960年代から2018年までに発表された短編漫画から、貧乏生活や格差を描いた作品を集めたアンソロジーです。戦後の混乱のなごり、高度経済成長、バブルの崩壊など、時代ごとに異なる貧困の様子が作品のトーンから読み解けます。劇画タッチ、ギャグ、4コマなど幅広い作品を取り上げていて、興味深く読める一冊です。
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