ブックキュレーターhonto編集員
衣食住や民間伝承に潜む謎。ようこそ民俗学ミステリーの世界へ
衣食住や冠婚葬祭には、土地ごとの慣習やしきたりなど、さまざまな伝統的様式が表れるものです。そして、古くから民間で伝えられてきた事象の由来や、歴史的変遷を研究するのが民俗学。普通の人々の日々の暮らしの形態に着目するこの学問は、推理小説とも相性が良いのです。ここでは民俗学×ミステリーの小説を紹介します。
- 95
- お気に入り
- 24925
- 閲覧数
-
異端の民俗学者と助手のコンビが、フィールドワーク先で遭遇する事件を解決するさまを描いた連作短編集です。題材の学問的解釈と探偵小説としての謎解きの二重構造で、情緒や余韻を抑えた鋭い切れ味の推理が魅力のシリーズ。歴史上封印された忌まわしい記憶と、それを記録しようとする意思の葛藤に、人間の業の深さが垣間見えます。
-
宮司で古書肆の京極堂こと中禅寺秋彦が憑き物落としで事件を解決する「百鬼夜行シリーズ」の第5弾。昭和20年代、房総の女学校を舞台に起きた殺人事件に絡んで、日本の母系制や妻問婚、性風俗とフェミニズムに関する考察が展開します。宗教や伝説も含む膨大なうんちくが記された、民俗学の本としても楽しめる傑作ミステリーです。
-
幼少期の体験から嘘を聞き分ける耳を持った青年が、大学で怪異を研究する准教授と出会い、助手として怪事件や都市伝説を解明していく連作短編集です。怪現象は現実的かつ合理的な推理で解体される一方、主人公らの過去に関するかげりは絶妙に残り、先の展開が気になってきます。文体は簡明かつ軽快で、初心者にも読みやすいシリーズです。
-
葬送儀礼を研究する女子大学院生と指導教授のコンビが、日本各地を巡り、巻き込まれた事件を解決していくミステリー小説。葬送に関する知識に特化した推理モノで、現代に起きた殺人事件から戦国時代の伝承の謎解きまで、幅広い領域を対象としています。軽いノリのラブコメタッチになっていて、民俗学に詳しくなくても楽しめます。
ブックキュレーター
honto編集員ブックツリーとは?
ブックツリーは、本に精通したブックキュレーターが独自のテーマで集めた数千の本を、あなたの"関心・興味"や"気分"に沿って紹介するサービスです。
会員登録を行い、丸善・ジュンク堂・文教堂を含む提携書店やhontoでの購入、ほしい本・Myブックツリーに追加等を行うことで、思いがけない本が次々と提案されます。
Facebook、Twitterから人気・話題のブックツリーをチェックしませんか?
テーマ募集中!
こんなテーマでブックツリーを作ってほしいというあなたのリクエストを募集中です。あなたのリクエスト通りのブックツリーが現れるかも?
テーマ応募フォーム
こんなテーマでブックツリーを作ってほしいというあなたのリクエストを入力してください。
ご応募ありがとうございました。
このテーマにおける、あなたの”6冊目の本”は?
※投稿された内容は、このページの「みんなのコメント」に掲載されます。
コメントを入力するにはログインが必要です