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海外の怪奇幻想文学——世紀をまたいで読み継がれている古典を精選
20世紀を代表する怪奇小説家H・P・ラヴクラフトは「人間の感情で何よりも古く、何よりも強烈なのは恐怖である」と記しています。その言葉の通り、19世紀頃のヨーロッパやアメリカでは、恐怖をテーマとする小説が数多く書かれてきました。海外で生まれた怪奇幻想文学の古典から、現代に読み継がれている名作を精選して紹介します。
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クトゥルーの呼び声
H.P.ラヴクラフト(著) , 中央東口(著) , 森瀬繚(訳)
邪神たちが織り成す宇宙的恐怖を綴った「クトゥルー神話」の創始者であるH・P・ラヴクラフトの短編小説集です。最初期の作品「ダゴン」や祖父の遺品に魅せられた探索者の手記「クトゥルーの呼び声」など8編を収録。美しい新訳と細かい訳注付きで読める本書は、初見の読者にも、永年の愛好家にもオススメです。
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ヴィクトリア朝怪異譚
ウィルキー・コリンズ(著) , ジョージ・エリオット(著) , メアリ・エリザベス・ブラッドン(著) , マーガレット・オリファント(著) , 三馬 志伸(編訳)
ヴィクトリア朝期は文芸雑誌が人気を博し、クリスマスの時期には文豪たちの幽霊物語が多く掲載されました。本書には、呪われた血筋の青年が叔父の遺体を捜し求める「狂気のマンクトン」、予知能力者が死に際に人生をふり返る「剥がれたベール」など、日本の読者にはあまり馴染みのない怪異譚4編が収録されています。
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〈グレン・キャリグ号〉のボート
ウィリアム・ホープ・ホジスン(著) , 野村 芳夫(訳)
遭難者たちのサバイバルを描いた怪奇冒険物語。暗礁に乗りあげたグレン・キャリグ号から脱出した乗組員たちは、救命ボートで植物が生い茂る島へと流れ着きます。しかしそこは、未知なる怪物が生息する魔境で・・・。次々に襲い来る怪物のおぞましさが克明に描かれ、乗組員たちの恐怖をリアルに感じることができます。
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動きの悪魔
ステファン・グラビンスキ(著) , 芝田 文乃(訳)
蒸気機関車をテーマとするポーランドの鉄道怪談集です。あてのない旅を続ける男と鉄道員が奇怪な問答を繰り広げる「動きの悪魔」、超高速列車の走る未来が舞台の「奇妙な駅 未来の幻想」、神出鬼没の幽霊列車を描いた「放浪列車 鉄道の伝説」など、14編の物語が恐怖の鉄道旅行に誘います。
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