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家族が寝静まった後に読みたい――近代文学のアブノーマルな世界
谷崎潤一郎、川端康成、田山花袋・・・、国語の授業で習った近代を代表する文豪たちが意外なほどアブノーマルな世界を描いているのをご存じでしょうか。彼らの描く日常からかけ離れた官能的で耽美な世界。昼間に読むのはなんとなく気が引けてしまいます。だから、家族が寝静まった深夜、ひとりこっそり秘密の世界を覗いてみましょう。
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潤一郎ラビリンス 1 初期短編集
谷崎 潤一郎(著) , 千葉 俊二(編)
普通の刺激では物足りなくなり、奇怪な出来事を求めて隠遁生活を始めた男。ある日、古着屋の店先にかかっていた女物の着物の美しさに心を奪われたことから、夜な夜な女装して出かける「秘密」を楽しむようになっていきます。谷崎潤一郎の耽美な世界にどっぷり浸かることのできる「秘密」などを収録した短編集です。
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江戸川乱歩「人間椅子」は、美人作家の佳子に送られてきた1通の手紙から始まります。その手紙の書き出しには「奥様」という呼びかけがあり、椅子職人を名乗る男からの衝撃的な告白が書かれていて・・・。ひとしきり恐怖に震えた後の結末は、なんとも言えない不気味さが残ります。そのほか「屋根裏の散歩者」などを収録した初期傑作集です。
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蒲団・一兵卒 改版
田山 花袋(作)
日本の自然主義文学の代表作である田山花袋「蒲団」は、家族も分別も名声もある中年作家・竹中時雄が抱いた女弟子・芳子への恋心を赤裸々に描いた小説です。人間の内面や欲を露悪的にさらけ出すような時雄の行動は、発表から100年以上経った今読んでもあまりに衝撃的。一度読んだら忘れられなくなるはずです。
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文豪たちが書いた耽美小説短編集
彩図社文芸部(編纂)
田山花袋「少女病」は中年作家・杉田古城が主人公。古城は満員電車でひたすらに美少女を見つめ妄想に耽り続けることで、美少女への憧れを満足させようとしていますが、それが原因で意外な結末を迎えます。そのほか川端康成「片腕」や谷崎潤一郎「刺青」など、11名の文豪の耽美的な代表作が存分に楽しめる短編集です。
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