ブックキュレーター花まる学習会 平沼純
物語が生まれる場所・・・学校
自分にとって未知の世界との出会いをもたらす場所。時にあがき、もがきながらも、自分のこれまでとこれからを見つめる場所。自分とは異なる風景を見ているたくさんの人と出会い、時にすれ違い、ぶつかり合う場所―。そんなさまざまな物語が生まれる場所、学校を舞台にした5つの物語。解き放たれるのは、誰の心の中にもある「永遠の時間」です。
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くんちゃんのはじめてのがっこう
ドロシー・マリノ(さく) , まさき るりこ(やく)
こぐまのくんちゃんを主人公にしたロングセラー・シリーズの一冊。「学校」という新たな環境に向かうくんちゃんの期待や不安、新たな出会いがもたらす喜びなどが生き生きと描かれていて、世代をこえて読む人の共感を呼びます。ちなみに、描かれている通学路が秋の風景なのは、欧米の学校が9月に始まるから。
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どろぼうがっこう
かこ さとし(作・絵)
世にも名高い「くまさかとらえもん」校長と、悪いどろぼうを目指す生徒たちのくり広げるシリーズ一作目。作者のかこさんはセツルメント活動時代にこの物語を紙芝居で語った際、一部の「教育熱心な」大人からはお叱りを受けたものの、子どもたちからは拍手喝采を浴びていたとか。間違いなく、物語の醍醐味が味わえます!
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びりっかすの神さま
岡田 淳(作)
転校生の始(はじめ)が教室の中で見た不思議な男の人は、クラスで「びり」になった人でないと見られない「びりっかすさん」でした。やがて始はびりっかすさんと交流するようになりますが、そのことがクラス中に知られてしまい―。他人との競争、「がんばること」の意味など、大人にとっても深く考えさせられる物語。
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神隠しの教室
山本 悦子(作) , 丸山 ゆき(絵)
いつも無意識に「どこかに行ってしまいたい」と願っていた、加奈と4人の子どもたち。ある日突然、彼らは学校に自分たち以外の人間が誰もいなくなってしまったことに気付きます―。現代社会の数々の問題を織り交ぜながら進むスリリングな物語。必死に前を向いて進もうとする登場人物たちから、きっと勇気をもらえるはず。
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タイトルはマレー語の「5・7・5・7・7」。マレーシアからの帰国子女である中学2年生の沙弥は、ひょんなことから短歌の吟行(ぎんこう)を始めることになり、戸惑いながらもマレー語を織り交ぜた短歌を詠んでいきます。2019年度の中学入試最多出題作品でもあり、表現の喜びや世界の多様性が魅力的に描かれます。
ブックキュレーター
花まる学習会 平沼純1982年生まれ。慶応義塾大学文学部卒、同大学院社会学研究科修士課程修了。花まるグループの受験部門であるスクールFCで、国語や公立中高一貫コース授業のほか、総合的な学習の時間である「合科授業」などを担当。多数の受験生を合格へ導くとともに、豊かな物語世界の楽しさ、奥深さを味わえる授業を展開し続けている。各種メディアで紹介された『子どもを本好きにする10の秘訣』(実務教育出版)のほか、書籍、雑誌・新聞記事などを多数執筆。読書をテーマにした講演会や連続講座も精力的に行い、本を読む楽しさ、物語を味わう大切さを訴え続けている。2016年よりほぼ毎月開催している連続講座「旅する読書」は、全国から参加者が集まる人気イベント。
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