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はじめてのグレアム・グリーン。ジャンル不問、稀代のストーリーテラー!
20世紀を代表する小説家の1人とも評されているグレアム・グリーン(1904-1991)。著書のジャンルは恋愛ものから純文学、さらにはミステリー、スパイフィクションと多岐にわたっていながら、どれも非常に高い完成度を誇っています。ここではそんな彼の小説にはじめて触れる方に向けて、特に知名度の高い名作を紹介します。
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革命に揺れる1930年代のメキシコを舞台に、堕落しきっていた聖職者の転落と信仰への回帰を描いたヒューマンドラマです。キリスト教が迫害される環境で、酒と女にうつつを抜かしていた神父が辿った運命とは?どうしようもなく自堕落だった男が生きるために必死にあがくさまは、実にリアルで見入ってしまいます。
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禁断の恋に苦しむ中年男の痛々しい心情と、その哀れな姿の滑稽さを辛辣に綴った恋愛小説です。奔放な妻に愚直なまでに尽くし続けてきた男が若い未亡人に惹かれ、壮絶な転落人生を歩んでいきます。恋と倫理のはざまで揺れる男の葛藤が、シリアスかつ緻密な描写で表現されていて、ぐいぐいと食い入るように読み進められます。
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親友のハリーを頼ってウィーンを訪れた作家のロロは、到着直後に彼の死を知らされます。親友の死因を調べ始めた彼は、ハリーに対する剣呑な噂を耳にするようになり、やがて自分自身も危険な状況へと陥ってしまい・・・。謎が謎を呼ぶミステリーのお手本のような小説。全体に漂うクールでほろ苦い雰囲気が印象的な一冊です。
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人畜無害に見えていたアメリカ人青年は、なぜ不慮の死をとげたのか?列強各国の陰謀が渦巻くベトナム戦争直前のサイゴンで、純粋すぎるがゆえに外道へと身をやつしてしまった男の悲劇が描かれます。サスペンスフルで娯楽色の強い小説ですが、他国に介入しようとする大国のエゴを痛烈に皮肉っている意欲作でもあります。
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東西冷戦の時代を舞台に、イギリス情報部の内部事情や二重スパイとして生きる男の哀愁を描いた超一級のスパイ小説です。実際に諜報活動経験者であった著者の生み出した物語だけあって、作中の描写はいずれもリアル。ド派手な冒険活劇は皆無ですが、二転三転していく展開に、瞬きすら忘れて引き込まれてしまいます。
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