ちょっと元気がない時にこそ手に取ってほしい。お笑い芸人のエッセイ本

18歳で初めて移り住んだ東京の思い出を、地名とともにしたためた100篇のエッセイ。又吉直樹による、東京の風景を切り取った青春の軌跡です。テレビの電波が入らない風呂なしのアパートのエピソード、井の頭公園での妄想、東京タワーと母との思い出。読後には、東京の風景がいつもと少し違って見えるかもしれません。

お笑いコンビ・オードリーの若林正恭によるエッセイ集です。20代をまるごと下積み期間として過ごした彼は、ブレイクを果たした30歳の時にようやく「社会人になった」と言います。スタバでグランデを頼めない自意識過剰さや、人見知りゆえの失敗など、自虐にあふれた日々を赤裸々に綴っています。

南海キャンディーズ・山里亮太による努力の軌跡が詰まったエッセイ。褒められるとすぐに天狗になってしまう、うまくいかないことは相方のせい。そんな過去の振る舞いを反省しつつ赤裸々に語っています。怒りや嫉妬といったマイナス感情をすべて努力のためのガソリンに変えて邁進する山ちゃんの姿に、勇気をもらえることでしょう。

サンドウィッチマンの伊達みきおと富澤たけしが、高校時代の出会いから下積み時代、ブレイク後を交互に綴った一冊。仙台から2人で上京し、M-1グランプリでの敗者復活戦で一気にブレイク。それまでの出来事を当時の回想を交えながら語っています。本書から伝わってくる2人の仲の良さに、うらやましさすら感じてしまいます。

幼いころに貧乏で苦労した。長く売れない下積み時代を経てブレイク・・・というような話がまったく出てこないのが、この本のユニークなところ。普通の家庭で普通に育ち、芸人を目指して約3年でブレイク。波乱万丈とは無縁の日常を綴っています。あまりに「普通」なのになぜか癖になってしまう、不思議な魅力を放つエッセイ集です。