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本格推理の法則やお約束に全力で挑む!鬼才たち渾身のパロディミステリー
探偵が登場し、密室殺人や不可解な謎をロジカルに解き明かしてゆく本格推理。推理小説に特有の「お約束」は、「ノックスの十戒」や「ヴァン・ダインの二十則」などが基本的なルールとして知られています。ここでは、本格推理の実力派たちがそんな「お約束」をパロディ化した問題作を紹介します。
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大癋見は、事件を解決する気なんかないのになぜか検挙率100%という、著者の小説ではおなじみの破天荒な警部。本作は大癋見とその部下たちが、無意味な叙述や長い解説が必要な技術でしか破れない密室、露骨すぎるダイイングメッセージなど、ミステリーのお約束をわざと無視した数々の事件に挑む短編集です。
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犯人当てや倒叙から、日常の謎まで、7つのミステリージャンルで7人の探偵が活躍する短編集。特に注目なのは「更新世の殺人」という1編。更新期の地層にあったことを理由に、真新しい遺体の死亡推定時期を150万年前だとする明らかに誤った前提を採用して、まじめに推理を繰り広げるさまにお腹がよじれます。
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名探偵の掟
東野 圭吾(著)
探偵が登場する本格推理のお約束=掟に、名探偵・天下一大五郎が挑む連作短編集です。推理小説の登場人物だと自覚のある名探偵が、さまざまな推理もののルールやお約束に突っ込みを入れながら奮闘します。突っ込みの対象は、さまざまな推理小説から2時間ドラマ、作者や編集者、果ては読者にまで及ぶほど多彩です。
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挑戦者たち
法月綸太郎(著)
推理小説でしばしば挿入される「読者への挑戦状」を99のパターンで記しています。スタンダードな挑戦状から、ネットのコピペ風、漫画のパロディ、果ては迷路風の挑戦状も。本格推理、そして挑戦状とはいったいなんなのか・・・というテーマの挑戦状もあり、全体を通して本格推理というジャンルの核心に迫った評論にもなっています。
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探偵の得た手掛かりがすべて正しいのか作中ではわからず、探偵の推理が真の解決なのか保証できないことを、「後期クイーン的問題」と言います。本作はそれを逆手に取り、探偵・メルカトルが作中で出された証拠からロジカルに推理した結果、犯人がいなくなってしまったり別人になってしまったりする不思議な短編集です。
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