ブックキュレーターhonto編集員
混乱すること間違いなし!想像力の限界を軽々と超える奇想天外な小説
世の中には驚異的な発想力で、私たちに衝撃を与えてくれる小説があります。斬新な文章、奇想天外なストーリー展開は、「こういう発想もあるんだ」と新鮮な驚きと喜びをもたらしてくれます。古今東西の作家たちは想像力の限界に挑み、奇抜な物語を練り上げてきました。特筆に値する不思議な小説を選り抜き、その独特の世界をお伝えします。
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別荘
ホセ・ドノソ(著) , 寺尾 隆吉(訳)
著者のホセ・ドノソは、チリの作家。資産家一族の別荘で勃発する子どもたちと原住民の革命を描き、チリの政治情勢を寓話化した快作です。大人たちがピクニックに出かけている12時間に、別荘では12カ月が経過する「時間の歪み」が生じるなか、33人の子どもたちが狂気の群像劇を演じる光景にグロテスクな印象を抱きます。
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黄泥街
残雪(著) , 近藤直子(訳)
中国の作家・残雪による小説です。空からは黒色の灰が降り、店頭の果物は腐り、動物たちが発狂する、混沌とした黄泥街が舞台。饒舌な住人たちもみんな風変わりで、通りには常に怒号が飛び交っていました。しかし、ある男の「王子光」という言葉を契機に、奇妙な街は崩れていくことに・・・。汚物まみれの世界をご堪能ください。
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場所
マリオ・レブレーロ(著) , 寺尾 隆吉(訳)
見知らぬ部屋で目覚めた「私」は、記憶をたどりながら探索を始めます。扉の向こうには別の部屋があり、そこを抜けるとまた別の部屋が現れる、迷宮のような場所をさまよう主人公。人と出会っても言葉が通じず孤独を感じるなか、必死に出口を目指しますが・・・。ウルグアイの異才による「集合的無意識」を根源とした長編小説です。
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やし酒飲み
エイモス・チュツオーラ(作) , 土屋 哲(訳)
自分専属だったやし酒造りの名人が死去。彼を呼び戻すため、死者の町を目指すやし酒飲みの「わたし」。彼は悪鬼がのさばる森林で危機に陥りますが、そのたび変形の源「ジュジュ」の力で打破していきます。ナイジェリアの作家がアフリカにおける伝統的倫理観を素地に、生者と死者が共存する世界を創造した現代の神話です。
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熱帯雨林の彼方へ
カレン・テイ・ヤマシタ(著) , 風間 賢二(訳)
アメリカの作家が、熱帯雨林の奥地「マタカン」に集結する個性的な人々から、ブラジルにおける驚異的現実と環境問題をダイナミックに描きだした長編小説。日系移民であるカズマサの眼前で、謎の球体が回転しています。その球体が物語る、群衆の熱狂的な信仰と消費社会の衝突は、奇想天外な顛末を迎えることになります。
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