ブックキュレーターhonto編集員
「働き方改革」のために知っておきたい、これまでの「日本の働き方」がわかる本
多くの人が「働き方」を問われる時代になっています。これまでの働き方が難しくなったことに加え、「働き方改革」を目指す関連法案が施行されたことも大きな要因です。そして今必要なのは、その改革のためにこれまでの「働き方」の何が問題だったのかを改めて見つめ直す作業。そのための本を紹介していきます。
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能力主義と企業社会
熊沢 誠(著)
日本の「働き方」は90年代後半から変化しています。その一例が成果を給与へ反映しようとする「能力主義」と呼ばれるものでした。現代でも、そのような評価方法が一層強く推し進められています。本書は90年代後半に導入された「日本的能力主義」を批判的に検討し、本当に必要な改革の方向性を提示しています。
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日本の雇用と労働法
濱口 桂一郎(著)
本書は労働法に関して、網羅的に、そしてコンパクトにまとまった貴重な一冊です。本書を読めば、残業問題はもちろんのこと、男女の雇用格差や、欧米との比較を通じて日本社会が働く人をどのように扱ってきたのか、その問題点もきちんと把握することができます。これからの「働き方」を考えるためには必読です。
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「日本人はまじめ」と言われています。しかし本書は、そのまじめさは、人々が知らず知らずのうちに強制されているものだと主張し、そのことを二宮尊徳や吉田松陰などの言説や社会の制度という側面から明らかにしていきます。最後には企業が「ブラック化」するメカニズムを解き明かすなど、現代でも重要な視点を持った一冊です。
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「働き方」を考えることは、女性の社会進出を改めて考えることでもあります。「女性が働くことが出生率の低下を招いている」という言説に、本書は反論しています。アメリカやスウェーデンのデータを参考に、女性の社会進出を含む「働き方」の問題点を提示する本書は、これからの家族のあり方を考えるうえでも重要です。
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日本の賃金を歴史から考える
金子 良事(著)
賃金はどのように決定されるのでしょう。仕事の対価という考えだけではなく、多様な考え方や社会の仕組みのなかで賃金が決定されていることを本書は明らかにします。「雇用」や「請負」の差、男女の賃金格差など、時代や「働き方」とともに生じてきた賃金の問題点を押さえるのに、これ以上の本はないでしょう。
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