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官能と背徳の香りに酔いしれる。エロティシズム文学の名著
エロティシズムは古今東西の芸術家を魅了してきました。文学でも官能小説と呼ばれる分野が開拓され、その彩り豊かな世界には、情欲に溺れて破滅に至る人間の姿を捉えたものが数多く残されています。倒錯した性愛の虜となり、背徳の道を突き進んでいく人間を赤裸々に描き出した珠玉の官能小説を紹介します。
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ロリア侯爵夫人の失踪
ホセ・ドノソ(著) , 寺尾 隆吉(訳)
外交官の娘として生まれ、ロリア侯爵との結婚で財産を得るも、「究極の絶頂」を迎えることなく未亡人となったブランカ・アリアス。性衝動に突き動かされるまま、彼女は伯爵や画家たちと次々に交わり始めます。美貌と財産に恵まれながら、夫と経験できなかったオルガズムを求めブランカの性の旅は、意外な結末を迎えることになります。
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毛皮を着たヴィーナス 新装版
L.ザッヘル=マゾッホ(著) , 種村 季弘(訳)
著者自身の恋愛体験をもとに、青年の被虐性愛を描き出した扇情的な小説です。保養地で出会った未亡人のワンダを愛し、自分に苦痛を与えるように懇願するゼヴェリーン。自ら奴隷となる契約を交わした彼の教育により、ワンダはサディストに変貌していきます。19世紀の小説家でマゾヒズムの語源にもなったマゾッホの代表作です。
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エロティシズムを追究していたフランスの思想家バタイユ。本書は彼の思想を垣間見ることのできる小説集です。墓場のような夜の街で、娼婦と退廃的な営みに耽る「マダム・エドワルダ」。球体に尋常でない熱情を抱き、他者の目玉を性の玩具にする「目玉の話」。悦楽と汚物にまみれたその表現に圧倒されます。
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覆面作家のポーリーヌ・レアージュが、陵辱と調教の果てに、他者の所有物となる女性写真家Oを描き話題を集めたドゥ・マゴ賞受賞作。ある城館に招かれたOは恋人ルネの手引きで監禁され、男たちの玩具として弄ばれることに。そこからOの絶対的な服従の日々が始まるのでした。道徳的観念を揺さぶる心理描写は衝撃的です。
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