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なぜ人は偽造をやめられないのか?日本のニセモノの歴史を知ることができる本
フェイク、イミテーション、コピー、レプリカ・・・本物に似せたニセモノは、私たちの身近にあふれています。偽造された文書や発掘物などがもたらした騒動もあとを絶ちません。ニセモノを生み出し、受容する社会の特徴や人々の心性とは?近世以降に起きた偽書や贋作を巡る国内の事件を追った本から、ニセモノの歴史を考えてみましょう。
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ニセモノ図鑑 見るだけで楽しめる! 贋造と模倣からみた文化史
西谷 大(編著)
歴史におけるニセモノの意義を考察した、異色の日本文化論です。ニセモノとひと口に言っても、その概念と役割は多様で複雑。もてなしのための演出効果や興行用の商品。自分たちの権利を主張する根拠や、技術革新の促進など。ニセモノが日本人の暮らしに与えてきた影響を思い知らされる一冊です。
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青森の民家で発見された古文書を巡る騒動の顛末を、地元の新聞記者が綿密に取材したルポルタージュです。素人目にも稚拙で荒唐無稽な偽書が、なぜ巷に広まり、受け入れられたのか。自治体、学界、マスコミの病理と、地方の屈折したメンタリティが絡んだ事件の本質を暴き、警鐘を鳴らした白眉の一冊です。
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江戸時代に椿井政隆が作成した中世の古文書「椿井文書」。その特性と作成方法、後世への影響を分析した学術書です。架空の古文書が生まれた背景には、村の利権争いや富農の上昇志向など、依頼主の隠された邪心がありました。正しさよりも活用しやすさが優先され、誤った歴史が浸透していく過程を解明した良書です。
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戦後日本の考古学史における、著名人の半生を描いたノンフィクションです。岩宿遺跡を発見した相澤忠洋。彼を支援した芹沢長介。そして、旧石器捏造事件を起こした藤村新一。彼らを取り巻く学界の閉鎖的体質と確執が描かれています。これらの事件は偶然起こったのではなく、連綿と続く歴史的な環境要因が背景にあることを理解できます。
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