風情を感じる描写に身も心も癒される。田舎を舞台にした小説

山梨県を舞台にした青春小説です。誰にでもある学生時代の恋愛模様や友情が綴られています。思春期ならではの葛藤がリアルに描かれていて、自分のことのように感情移入できるのも特徴の一つ。自身の思い出と照らし合わせることで、懐かしい気持ちになれる一冊です。

平凡な派遣社員が女社長になるまでを描いたサクセスストーリーです。主人公・まじむを囲む人々のやさしさや、その土地ならではの景色などが素敵に綴られています。ラム酒づくりに励むまじむと、それを応援する人々の交流が温かいタッチで描写されていて、ひとりの女性が活き活きと仕事をする姿に共感してしまう方も多いはずです。

村上春樹が編訳した海外小説のアンソロジーです。彼による書き下ろし短編小説『恋するザムザ』も収録された贅沢な一冊。素朴な純愛から屈折した恋愛まで、田舎を舞台にした作品が多く、編訳の流麗さも相まって海外映画を観ているような感覚に浸れます。小説のなかで海外での田舎暮らしを堪能してみてはいかがでしょう。

理想と現実の乖離に悩み、会社を辞めてしまった主人公・文哉。そんなときに疎遠になっていた父の訃報が届き、彼は父の終の棲家を訪れることに。そこで知り合った人々から聞かされる父の晩年を通して、主人公自身の心も成長していき・・・。海辺の風景を連想させる情緒豊かな表現も特徴的な、癒しと感動の物語です。

東京での暮らしに疲れ、田舎に帰ってきた姉の聡美。一方、妹の愛美は姉の部屋を借りて、都会暮らしを始めることに。見た目も性格も正反対の姉妹、それぞれの悩みを浮き彫りにしつつ、それらと向き合っていく姿を描いた物語。「相手を妬むのではなく、素直に認めることが大事」というメッセージが心に染みる一冊です。