クセがすごいキャラクターに「驚くほど」揺さぶられるミステリー

「赤ずきん」は長旅の途中で『シンデレラ』や『眠れる森の美女』などのおとぎの国を訪問。童話の世界で勃発する難事件をズバズバ解決していきます。『あなたの犯罪計画は、どうしてそんなに杜撰なの？』と舌鋒鋭く迫る赤ずきんは、かなりの変わり者。彼女が巧妙なトリックを見破るさまは特別な高揚感をもたらします。

依頼人から法外の報酬をせしめると噂の悪辣弁護士・御子柴礼司が暗躍するリーガル・サスペンス。彼は幼女バラバラ殺人を犯した過去を持つ、とてつもない強者です。狙った3億円の保険金殺人事件と彼の過去とが交錯する展開はまさに圧巻。冒頭の一文から惹きつけられ、二転三転のラストまでぐいぐい持っていかれること必至です。

東北新幹線「はやて」の車内で殺し屋たち＋1名が巻き起こすあれこれを描いた小説。殺し屋は全員超個性派で、たとえば「檸檬」は『きかんしゃトーマス』を愛しています。そこに狡猾な極悪少年が加わり車内は大混乱。クセモノたちが起こすケタ違いのトラブルと、緻密な伏線の鮮やかな回収に痺れるはずです。

冒頭での今彼のプロポーズに対し、ダイヤが小さい安い指輪など論外だと突っぱねた強烈な女弁護士。お金に対して半端ない執着を持つ彼女が、依頼人と共謀して元彼の莫大な遺産を狙います。『僕の全財産は、僕を殺した犯人に譲る』という元彼の奇妙な遺言状の真意とは？過激な主人公と謎に翻弄され続けるミステリーです。

もじゃもじゃな髪と整（ととのう）という名前のクセもすごい主人公が、超マイペースにとうとうと持論を展開。これまたクセありな犯人たちを冷静に追い詰め、一筋縄ではいかない謎を解き明かすミステリー漫画です。豊富な知識と知性に裏打ちされた整の言葉は人間の核心を突き、犯人と読者の心をこれでもかと揺さぶります。