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「鬼の副長」と呼ばれた男。新選組・土方歳三を主人公にした傑作時代小説
土方歳三といえば、新選組の中でも局長の近藤勇を凌ぐほどの人気を誇る人物。人柄や剣の腕が特別秀でていたわけではないという説が有力にもかかわらず、新選組という組織と最後まで運命をともにしたドラマチックな生きざまが人気の理由だといえるでしょう。ここでは、そんな土方の魅力を大いに楽しめる新選組小説を紹介します。
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黒龍の柩 上
北方 謙三(著)
新選組の栄枯盛衰をほぼ史実通りになぞりながら、その渦中で壮大な夢のために戦い続けた男として土方歳三を描いた活劇小説。とにかく土方の強さが格好よく、その雄姿はほかの新選組小説の比ではありません。土方の人物像として相通じる点が多いので、マンガ『ゴールデンカムイ』の愛読者にもぜひ手に取ってほしい一冊です。
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土方歳三がゆく 時代小説傑作選
細谷正充(編)
『ゴールデンカムイ』の野田サトルが描き下ろしたクールなカバーイラストが目を引く本書は、6人の小説家による土方歳三の物語を収めた短編集。剣の腕にコンプレックスを抱えた土方、女性の目線で描いた土方など、さまざまな土方劇場を楽しむことができます。土方ファンを自認するなら、本書はスルー厳禁です!
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触れるとケガをするイバラのような乱暴者につき、「バラガキ」と呼ばれた若き土方の破天荒な青春群像劇。やんちゃ坊主が仲間とともにケンカや恋に明け暮れるさまが爽快に描かれています。明るい任侠もののようなテイストで、新選組を題材にした物語としては珍しいほどに悲壮感が薄く、気軽に読める一冊です。
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「ガルトネル開墾条約事件」をもとに箱館の広大な土地を手に入れようとする大国と、それを阻止せんと立ち上がった者たちの戦いを描いた壮大なスケールの歴史小説。主人公の土方歳三は上巻でこそ少々控え目ですが、下巻では胸がすくような存在感を示してくれます。帯文の『読んだら絶対、土方に惚れる!』に偽りはありません。
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壮絶な暴力シーンやむせかえるような官能シーンが描かれた、ハードボイルドな新選組小説です。エッジの効いた生々しい描写が多く、これでもかというほど人間臭い土方歳三を感じることができます。本書の執筆中に著者の峰隆一郎が逝去してしまったため、残念ながら未完の小説となってしまいました。
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