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不思議で哲学的な子どもの世界。少年少女を主人公に据えた小説
子どもの想像力は、経験に汚されていないぶん研ぎ澄まされています。子どもが誰にも邪魔されずに自分の世界を築いていく姿は、はるか昔より文学者の創作意欲を刺激してきました。ここでは、そんな少年や少女が主人公として描かれた小説を紹介します。大人もみんな、かつては子どもでした。そんなことを思い出させてくれる物語に触れてみませんか?
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ミゲル・ストリート
V.S.ナイポール(著) , 小沢自然(訳) , 小野正嗣(訳)
イギリス植民地時代のトリニダード・トバゴ。その小さな街の一角で生きる人々を、著者自身を思わせる少年が物語る連作短編集です。名前のないものを作り続ける大工、「世界で一番素晴らしい詩」を書いている詩人など、風変わりな住人たちとの交流を通し、植民地故の閉塞感に包まれたストリートを喜劇的に描き出します。
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地下鉄のザジ 新版
レーモン・クノー(著) , 生田 耕作(訳)
フランスの前衛小説家レーモン・クノーの代表作です。叔父のもとで2日間過ごすため、田舎からパリを訪れたおてんば娘のザジ。地下鉄に乗ることを楽しみにしていた彼女は、スト中で希望が叶わないと知ると街に出て、行く先々に現れる奇妙な人々とひと晩を過ごすことに。ザジ一行による狂気と紙一重のドタバタ喜劇に度肝を抜かれるはずです。
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午後の曳航 新版
三島由紀夫(著)
母親と航海士の密通を覗き見て、理想的な英雄だった人間の変化を察した13歳の登。船乗りの屈強な精神と肉体に憧れるとともに、それが俗世間に染まることを恐れる少年の葛藤は大人の世界に対する強烈な反骨精神を育み、仲間と反撃の機会をうかがい始めます。全能感に浸る子どもたちの残虐性が印象に残る、背徳的な小説です。
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