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妻が夫の名字になるのは本当に「普通」?選択的夫婦別姓を考える本
選択的夫婦別姓とは、夫婦が望む場合に結婚後もそれぞれの結婚前の名字を使用するのを認める制度のこと。民法などの法律では「名字」のことを「氏(うじ)」と呼んでいるため、法務省では「選択的夫婦別氏制度」と呼ばれています。2022年現在、日本では夫婦別姓は認められておらず、それが女性差別につながる原因とも言われています。社会の変化によって多様な生き方や働き方がある現代で、夫婦の姓や家族のあり方について考えるための本を紹介します。
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サイボウズの社長・青野慶久の本名は、西端慶久。結婚後に妻の姓に変え、仕事では旧姓を使っていましたが、直面したのは名義の変更や確認など大変なことばかり。選択的夫婦別姓制度を認めてもらうために裁判を起こします。当事者のインタビューや対談、弁護士による法律解説のコラムもあり、夫婦別姓の入門書にぴったりな一冊です。
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別姓夫婦の仕事と生活
山手 茂(著) , 青山 三千子(著)
80代の別姓共働き夫婦がその歩みを振り返る一冊です。妻は離婚と再婚を経験し、キャリア断絶を防ぐために夫婦別姓を選びますが、あらゆる困難にぶつかります。夫婦別姓制度実現への熱い思いが語られる「おわりに」では、呼称や氏名は「かけがえのない人格権」であり、性別に関係なく守られるべきだという願いが伝わってきます。
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現在の日本では、結婚すると夫の苗字に変える人が96%にものぼります。そんななか結婚後、妻の姓に変え、さまざまな苦労を経験した著者。実体験を踏まえつつ、社会学者として夫婦の姓や日本の結婚制度について考察します。選択的夫婦別姓制度の40年にも及ぶ議論を振り返りながら、日本人の家族観に一石を投じる一冊です。
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「ふつう」とは異なる家族に生まれた子どもへの取材をまとめた本書には、夫婦別姓の両親を持つ子どもの声が収録されています。名字に関係なく一緒に暮らすことを家族だと捉えていた彼が、両親が法律上離婚していたことを知ってショックを受けたことが語られ、一筋縄ではいかない当事者の生の声に触れることができます。
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