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手のひらに収まる短い物語。海外で生まれた珠玉の掌編小説集
掌編小説とは、手のひらに収まるような、短編小説よりも短い物語のこと。そしてその短さゆえに、小説として完結させるのが難しいことで知られています。数多の文学者が手がけ、奇抜な結末を重視するショートショートや、散文詩に通じる詩文的な表現法を取り入れた作品が生まれてきました。ここでは海外の掌編に注目し、珠玉の作品集を紹介します。
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共謀綺談
フアン・ホセ・アレオラ(著) , 安藤 哲行(訳)
メキシコの小説家で、掌・短編の名手であるアレオラ。人間社会の不条理をアリの世界に投影した「驚異的なミリグラム」をはじめ、皮肉と幻想を織り交ぜた奇抜な物語が28編収録されています。明瞭などんでん返しが用意されているわけではなく、考察の余地を残すものの多さが特徴で、詩文的な妙味を堪能できます。
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ポルトガルの西方アソーレス諸島での経験をもとに、随想録的な技法で綴られた掌編小説集です。捕鯨地として栄えていたこともあり、個性的な人物たちの語りにはなんらかのかたちでクジラが現れます。島の自然と風物から浮かび上がるクジラの幻影。捕鯨手とクジラが築いてきたポエティックな記憶の断片が味わうことができます。
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けだものと超けだもの
サキ(著) , 和爾 桃子(訳)
掌・短編の名手として知られているイギリスの小説家サキ。その特徴には風変わりな登場人物と、読めば読むほど味わいを増すブラックユーモアが挙げられます。軽妙洒脱な会話劇にちらりと現れるドスの効いた毒。20世紀前半の英国社交界を振りまわすサキ流のいたずら心と批判精神が生き生きと表現された、全36編を収録しています。
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