挑んで、笑って、考えて。大人でも挑戦したくなってくるエッセイ

幼いころから水嫌いの著者は、何の気なしにスイミングスクールへ通うことに。なぜ水が怖いのか、どうして泳げないのか。大人になっての挑戦記だからこそ、身体の状態や段階ごとの感情、泳げない人が水やプールに抱く心理描写なども丹念かつ的確。個性的なコーチとのやりとりに笑わせられながら、読むごとに発見がある良書です。

タイトルそのままの本書。しかし内容は、PTAという「魔界」の政治学的分析でもなければ、その知識を駆使して改革を果たした成功譚でもありません。さまざまな不条理や保護者たちとの軋轢が生じている現場で、必死に戦った著者の3年間とは？読後、自分の身近な組織や「半径10mの民主主義」について考えたくなるでしょう。

女性、40代、独身。仕事や人間関係は行き詰まり、愛猫が亡くなった。そんな著者が「救済」を求めたのは、長崎県五島での免許合宿でした。島の魅力と現実、教習所や島の人々との交流、そして悪戦苦闘の毎日が等身大の文章で綴られています。東京に戻ってからの日々も含めて、挑戦には「癒し」の力もあると感じられます。

元朝日新聞記者で、アフロヘアがトレードマークの著者。50歳で仕事を辞め、人生の終盤へと向かう彼女が相棒に選んだのがピアノです。今まではやれなかった、でも今だからこそできることがある。心身の衰えと向き合いながら奏でられる旋律が、愉快な文章として胸に沁みます。

韓国の人気コピーライターと、女性ファッション誌の元編集長。彼女たちはマンションを共同購入し、「ルームメイトでも恋人でもない」関係として残りの人生を共に過ごす決断をします。2人＋4匹の猫での生活で、時に笑い時にケンカしながら、自分たちらしい生き方を模索する2人。人生を切り拓く、その豊かさに満ちた一冊です。