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彼女たちはどう「ガラスの天井」に挑んだ?女性研究者たちの活躍を描いた本
ガラスの天井とは、素質や実績があっても女性やマイノリティという理由で正当に評価、昇進させない組織内の障壁を指す言葉で、女性の活躍を阻害するとして、男女格差の課題となっています。そして近年、学術分野でもジェンダー平等推進が謳われていますが、研究者に占める女性の割合は2割にも満たないそうです。綿々と続く男性優位の環境下においても、探求心や使命感に駆られ、地道に研鑽を積み、輝かしい研究成果を挙げた女性たちがいました。ここでは、科学や学問の発展に貢献した女性の研究者たちの人生や事績を知ることができる本を集めました。
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ノーベル賞で有名なマリー・キュリー以外にも、現代科学の進歩に寄与した女性はたくさんいます。本書は化学や物理、生物学や医学などで、先駆的な業績を挙げた女性研究者を紹介した概説書です。差別や偏見と闘いつつ粘り強く道を開く姿は、まさしく開拓者。信念を貫いた彼女たちの意志の強さに励まされることでしょう。
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女性と天文学
ヤエル・ナゼ(著) , 北井 礼三郎(訳) , 頼 順子(訳)
男性目線で語られてきた天文学史を、女性の側から捉え直した概論書です。彗星や小惑星の発見、恒星の分類法、地球から天体までの距離を測定する法則、星を組成する仕組みなど、宇宙物理学の進歩に貢献した女性たちの功績を解説。宇宙研究の基盤の確立に、多くの女性研究者たちが関わっていたことに驚かされます。
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古生物学や地質学の基礎を築いた化石掘りの女性の評伝です。彼女は階級社会の根強い英国の片田舎で、学者らに化石を売り込む傍ら独学で学び、生命の歴史を紐解くクロコダイルの化石を掘り当てました。買い手と渡り合い、赤貧の生活をたくましく生き抜いた女性の数奇な人生を、断片的な資料から書き起こした世界初の伝記です。
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薬草ハンター、世界をゆく 義足の女性民族植物学者、新たな薬を求めて
カサンドラ・リア・クウェイヴ(著) , 駒木 令(訳)
アメリカの医学民族植物学者による自叙伝です。ベトナム戦争で枯葉剤を浴びた親から生まれた少女は、先天的骨格異常で右下腿を切断。女性で身体障がいというハンデを持ちながら、薬剤耐性菌と戦うために研究する目的で精力的に世界を駆け回ります。自身の運命に、果敢に向き合う彼女のバイタリティに圧倒されるはずです。
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女が学者になるとき インドネシア研究奮闘記 増補
倉沢愛子(著)
インドネシア研究の第一人者、倉沢愛子の半生を綴った自伝です。大学紛争激化の昭和40年代、新たな研究分野に取り組むべく大学院へ進んだ著者は、課題漬けの留学生活や異国での孤独なフィールドワークを経て、博士論文を完成させます。就職や結婚など、学者を志す女性が直面する困難を乗り越える前向きさに励まされます。
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